2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元物体への高速テクスチャマッピングと文化財のデジタル復元への応用
Project/Area Number |
14380143
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
金子 豊久 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10262974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 繁 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20264939)
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Keywords | コンピュータグラフィックス / テクスチャマッピング / 光反射率の測定 / 文化財のデジタル保存 |
Research Abstract |
CGは映画、テレビ番組、ゲームなど応用範囲が拡大している。その基本である幾何学モデルの取得には多大の労力を必要とする。本研究では、3次元物体が実在する場合、形状自体はレーザスキャナーやCTを用いて計測することを前提とした。リアリティのある物体を作り上げるには物体表面の光特性(テクスチャーと光反射)を計測する必要がある。本研究では、デジタルカメラのみを用いる方法を提案する。 まずテクスチャーを貼り付ける問題を取り扱った。高速処理するために、階層的マッチング方法を考案した。まず物体のシルエット(外周)を抽出し、1段目:中心からの距離のヒストグラム、2段目:外周距離プロファイル、3段目:低解像度シルエット、4段目:高解像度シルエットの順にマッチングを行い、高速化した。1つの画像で約20〜30秒、6,1物体では3分程度でテクスチャ取得が完成する。以上の方法は、物体のシルエットを用いてカメラ位置の推定を行っているが、カメフ位置の推定誤差が生ずると、テクスチャが2つの画像で重なる場合、1条の線が2条に見えたりすることがある。テクスチャ画像を用いて、テクスチャをより正確に重ねる方法を提案した。次いで、1枚の画像を用いて、自由曲面を持つ物体の光反射率を測定する方法を提案した。物体表面を色により分類し、(同じ色の領域は同一の反射率を仮定する)、1つの領域では、カメラをハイライトが含まれるようにカメラ位置を設定する。カメラ位置、光源をシルエットより推定して、反射特性の各パラメータを取得することができた。 最後に、こうした技術を駆使して、文化財保存のために、実測した。まず豊橋市美術博物館所蔵の三次人形(高さ30cm程度)2個について、テクスチャと光特性を測定した。次いで国重要文化財である豊橋市東観音寺所蔵の多聞天像(高さ約1メートル)と阿弥陀如来座像の手を手持ちレーザスキャナにより取得し、カメラ画像を用いてデジタル保存を行い、提案方法の実用性を実験的に示した。
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Research Products
(1 results)