2002 Fiscal Year Annual Research Report
地形、樹木、建物群などの地表面の条件が地震動に与える影響の解明
Project/Area Number |
14380199
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川上 英二 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (50125887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 尚 埼玉大学, 工学部, 助手 (80236710)
茂木 秀則 埼玉大学, 工学部, 講師 (80261882)
渡邉 啓行 埼玉大学, 工学部, 教授 (90159244)
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Keywords | 地震 / 境界要素法 / 有限要素法 / 崩壊解析 / 大変形解析 / 地震波動 / 地盤振動 / 地震動 |
Research Abstract |
本研究では従来地盤震動を扱う際に全く考慮されてこなかった地表面の影響を明らかにすることを目的としている。一般に、地表面の地形には、凹凸があり、樹木・家屋・ビルが密集している。地形に関しては、非常に不整形な特殊な地形ではなく、小さな振幅の凹凸が無限に連なった一般的な地形を対象とし、この地形の影響を、定量的かつ波動論的に明らかにすることを目的の一つとしている。また、樹木に関しては、地震動にどのような影響を与え,堤防などの土構造物の安全性にどのような影響を及ぼすのかを明らかにする。構造物群に関しては、不規則に配列する建物群の影響を確率統計的に扱うことにより、この影響の平均像を明らかにすることを目的にしている。 まずは、地形の影響、樹木の影響、建物群の影響それぞれに対して研究を進めた。地形の影響に対しては不整形な地盤を解析する境界要素法を改良し、樹木の影響に対しては大変位・崩壊挙動解析法を展開し、建物群の影響に対しては有限要素法を改良した。それぞれに対する方法論およびプログラムはほぼ完成した。 次に、問題のモデル化、解析方法・結果に関して検討した。そして、地形、樹木、建物群など異なっては見えるが、様々な大きさの多くのものが不規則に地表上に乗っているという点では力学的には似た影響があるものと考えられ、共通な方法および共通な結果が含まれることを考えた。単なる違いは、水平な地表面上に乗っているものの材料の違い(地形の場合は土、樹木の場合は木、建物群の場合はコンクリートなど)だけであると考えた。今後は、統合をも考えながら研究を続行する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 茂木 秀則, 川上 英二: "高密度アレー観測記録に基づく整形地盤上の二地点間の計測震度差の統計解析"地震. Vol.55. 167-180 (2002)
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[Publications] Kawakami H., Mogi H.: "Analyzing spatial intra-event variability of peak ground accelerations as a function of separation distance"Bulletin of the Seismological Society of America. (in print). (2003)
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[Publications] 川上 英二, 茂木 秀則: "高密度アレー観測記録に基づく応答スペクトル比の確率分布"日本建築学会構造系論文集. Vol.551. 37-44 (2002)
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[Publications] Oyunchimeg M., Kawakami H.: "A New Method for Propagation Analysis of Earthquake Waves in Damaged Buildings"Journal of Asian Architecture and Building Engineering. Vol.2, No.1(in print). (2003)
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[Publications] 有賀義明, 曹増延, 渡邉啓行: "遠心載荷振動実験および三次元動的解析によるロックフィルダムの地震時安全性に関する研究"土木学会論文集. No.717/I-61. 77-89 (2002)
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[Publications] Taniyama H., Watanabe H.: "Deformation of sandy deposits by reverse faulting"Structural Eng. /Earthquake Eng., JSCE. Vol.19, No.2. 209s-219s (2002)
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[Publications] 川上 英二(分担): "防災事典 被害想定"日本自然災害学会 築地書館. 543 (2002)