2004 Fiscal Year Annual Research Report
GPS仮想基準点方式に基づく地殻変動実時間監視システムの開発
Project/Area Number |
14380200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神埼 政之 日立造船情報システム(株), 主任研究員
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Keywords | GPS / RTK-GPS / VRS / 仮想基準点方式 / リアルタイム測位 / 地殻変動 |
Research Abstract |
前年度までに予備的な調査でキネマティック処理により数mm程度の精度が得られることが判明したため、本格的に東海地域にリアルタイムGPS観測網を敷設し、リアルタイム処理ができる体制を構築することとした。観測網については別途敷設された観測網を用い、この観測点にLINUXをベースとした小型計算機(Linux Box)を装着し、GPS受信機からのデータをリアルタイムに1秒サンプリングで収録する方式をとった。但し、リアルタイムでの実運用は将来の課題として残された。現在のところ、現地収録方式として時折現地でデータをダウンロードしている。ホスト側計算機においても、ソフトウェアを含むシステムの開発が進められた。ここでは解析ソフトウェアとしてGIPSYソフトウェアを用い、精密単独測位解析によって各観測点での座標を準自動的に得る方式とした。この方式を用いると基線を作る必要がないため、あとからデータを付け加えてもそれだけで解を得ることができ、再解析の必要がないことなどの利点がある。この方式による試験解析が実施されつつある。 以上、3年間にわたって実施してきた本研究による成果と課題を取りまとめると以下のようになる; (1)VRS方式では1〜2cm程度の精度が得られることが確認された。しかしながら、現在の商用VRSでは携帯電話を使用しなければならず、連続・長期のデータ監視には不適であることが判明した。 (2)比較として実施したオフラインキネマティック解析では数mm程度の繰り返し精度が得られ、現時点ではVRSよりも精度がよい可能性があることが指摘された。 (3)2003年十勝沖地震の際に得られた1秒サンプリングデータを解析し、地震波形を明瞭に捕らえることに成功した。 (4)2004年9月紀伊半島沖地震に際して得られたGPS津波計データをキネマティック解析し、約10cm程度の津波波高を明瞭に捕らえることに成功した。
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Research Products
(4 results)