2003 Fiscal Year Annual Research Report
新型核融合炉液体トリチウム増殖材料の特性と先進液体ブランケット設計
Project/Area Number |
14380217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 隆幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90175472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米岡 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40013221)
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114547)
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Keywords | 核融合炉液体 / ブランケット / 増殖材料 / リチウム-スズ / フッ化物溶融塩 / トリチウム / 拡散係数 / 溶解度 |
Research Abstract |
D-T核融合炉を実現するためには核融合炉燃料サイクルの確立が必須であり、燃料として消費する量以上のトリチウムをブランケットにおいて増殖し、これを効率的に回収することが必要である。液体増殖材料を用いる液体ブランケットは、高出力密度化や増殖材料の連続処理が可能であるという大きな特徴を有し、経済性などの観点から極めて魅力的な動力炉ブランケット概念となる可能性が大きいが、そのための研究開発は固体ブランケットのそれに比べて大きく立ち遅れている。 本研究は、新しい液体ブランケット概念について検討を行う一方、そのために必要な液体増殖材料特性データを取得することを目的とする。特にその中で、潜在的有用性が高いと考えられる液体リチウム-スズ合金について研究を行うとともに、フッ化物溶融塩の酸化還元状態の制御やその他の液体増殖材料に関する材料特性データを補完し、全ての液体増殖材料の比較検討を総合的に行うことを目的とする。また、それらのデータをもとに、新しい液体ブランケット概念について、その実現可能性や今後の研究開発項目を明らかにする。平成15年度は本研究の2年度目であり、下記の作業を実施した。 1.リチウム-スズ液体合金系の特性測定 液体リチウム-スズ液体合金系増殖材料の基本的な特性についての測定を開始した。特に、原子炉内に模擬ブランケット体系を設置し、トリチウム拡散係数や溶解度などの測定と評価を行った。また、水素同位体の溶解度や液体状態での密度を測定しつつある。 2.フッ化物溶融塩系における化学挙動 フッ化物溶融塩(LiF-BeF_2)中に還元材として金属ベリリウムを浸漬することにより、フッ化物溶融塩中で生成するトリチウムの化学形を制御することを検討している。 3.液体増殖材料特性データの評価と先進ブランケット設計 日米双方の関係者で会合を持ち、今後の研究方針についての検討を行った。
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[Publications] T.Terai: "Research and New Materials Development and Elucidation of Degradation Phenomena in Nuclear Environment"JAERI-Conf. 2003-001. 5-11 (2003)
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[Publications] Yi Kang: "In-Reactor Tritium Release Behavior from Molten Lithium-Tin Alloy as a Liquid Metal Breeder"Materials for Advanced Energy systems and Fission & Fusion Engineering. 121-128 (2003)
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[Publications] S.Fukada: "FLIBE-D_2 Permeation Experiment and Analysis"Fusion Engineering and Technology. 44. 410-414 (2003)