2004 Fiscal Year Annual Research Report
低放射化バナジウム合金による核融合炉ブランケット部材の製作要素技術開発
Project/Area Number |
14380223
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
室賀 健夫 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 教授 (60174322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教授 (40311203)
田中 照也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (30353444)
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Keywords | バナジウム合金 / 核融合ブランケット / 製作技術 / セラミックス表面被覆 / レーザー溶接 |
Research Abstract |
液体リチウムブランケットのMHD圧力損失低減のためのバナジウム合金への酸化エルビウム被覆法の開発と評価を進めた。昨年度までに製作した、スパッタ被覆装置(共同利用設備)などを用いたV-4Cr-4Ti試料への酸化エルビウムへ被覆材について、高温液体リチウムへの高温長期浸漬試験を行い、700℃、1000時間まで安定であることが分かった。これは、当面の核融合ブランケットでの要求を満たすものである。ただし、被覆製作時の基板温度が十分高くないときは、被覆の結晶性が低下し、リチウム中の安定性も低下することが分かった。昨年度手法の実証を行った酸化エルビウムその場被覆は、高温でも十分な抵抗を示すことがわかり、MHD絶縁被覆としての有効性が確かめられた。 V-4Cr-4Ti合金の管材製作と、高圧ヘリウム封入による内圧管クリープ試験片の製作技術開発を行った。管材の品質向上により、クリープ試験の精度も大幅に向上した。製作した試験片を用いて、真空中および液体リチウム中の熱クリープ速度の測定を行った。その結果、液体リチウム中では、真空中に比べ5-10倍変形速度が上昇することが分かった。試料の化学分析を行った結果、バナジウム合金から液体リチウムへ酸素が流出していることが分かり、これがクリープ速度の上昇をもたらしていると解釈された。液体リチウムへの酸素の流出は、加工熱処理条件の変更により酸素を析出中に閉じ込めることにより抑制できるので、液体リチウム環境で強度を保つ熱処理の最適化が必要であることが分かった。
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Research Products
(3 results)