2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380224
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
加藤 之貴 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (20233827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 善男 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (00016627)
亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (10114448)
二階 勲 株式会社アースシップ, 取締役(研究開発担当)
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Keywords | 燃料改質器 / 非平衡 / プレート触媒 / 水素透過膜 / 燃料電池 |
Research Abstract |
申請者が提案した燃料電池用の新しい高性能燃料改質器の開発を進めた。本年は昨年のメタノールを用いた改質基礎試験をもとに、メタンを用いた高温水蒸気改質実験を行った。 本器は従来の充填層型改質器と異なり、プレート積層型であり、水素を反応雰囲気から逐一回収し非平衡反応を行う点が新しい。本研究ではこれまでの基礎的知見をもとに提案する改質器を試作し、その性能を実証することを目的にした。即ち従来に無い高性能改質反応を実現するプレート型改質器のデザインを実験的、数値解析的に検討した。とくに新材料であるプレート状触媒と水素透過膜を採用することから、触媒プレートの形状と反応性能、また膜の水素透過膜性能を考慮した非平衡改質反応操作を実験的に評価した。結果をもとに最適反応器デザインを決定し、小型移動体規模の本改質反応器を製作し実証操作試験を進めることに検討を進めた。 実験では改質器としての基本性能である改質反応速度、水素透過膜性能、非平衡反応性、層内熱伝達性能を確認することを進めた。ここでは層構造とともに触媒の高性能化が重要課題になる。そこで本研究では実際に単段反応器を製作しメタノールの非平衡改質実験を行うことにより本改質器の性能評価を行った.また反応器内物質移動解析により本改質器の性能評価と可能性の検討を行った. 最初にペレット状触媒,膜厚がμmオーダーのパラジウム合金水素透過膜を使用して,反応圧力大気圧以上の加圧下,でそれぞれ通常改質反応と非平衡改質実験の比較を行った結果,非平衡化によりメタンの転化率の向上,二酸化炭素の選択性の最大15%の向上を実証し、同時に水素透過膜による水素回収を実証した.次にプレートフィン状触媒を用いて非平衡改質実験を行い,ペレット状触媒を用いた非平衡改質実験と比較を行った結果,プレートフィン状触媒を用いることで反応器内温度の安定が早く,反応器内温度分布が比較的均一となることを示した. 反応器内物質移動解析を通常改質反応と非平衡改質反応とで行った結果,解析値は実験値の傾向にほぼ一致した.最後に水素透過性能が向上した場合,本改質器の性能がどの程度向上するかを検討するため,水素透過膜の性能を水素透過度および膜厚をパラメータとし解析を行った結果,透過度が高いほど、膜厚が薄いほどメタンの転化率および、水素回収率が向上することが推定された. 以上よりプレート型非平衡燃料改質器の水素製造性能に関する有効性と可能性を明らかにした.
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Research Products
(3 results)