2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380227
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三木 俊克 山口大学, 工学部, 教授 (70091212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 卓也 山口大学, 工学部, 助手 (70263796)
小柳 剛 山口大学, 工学部, 教授 (90178385)
松浦 満 山口大学, 工学部, 教授 (60091211)
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Keywords | 熱電発電システム / 発電モジュール / 一体型熱交換器 / 理論計算 / 接合 |
Research Abstract |
本研究では,自動車からの廃熱を熱源として想定した高効率熱電発電システムの実現に向け,相互に関連する以下の項目に着目して検討を進めている.本年度の研究実績を以下にまとめる. 1)中高温用熱電発電モジュールの製造技術の開発 水素化活性金属TiH_2を用いた,金属電極(Cu)-熱電発電素子(CoSb_3)の接合条件をほぼ確保した.耐熱試験後(400℃,4h),この接合法により作成したモジュールから電極が剥離することはなかった.今後,温度勾配下における試験に移行する予定である.一方,多カップルモジュールを一括して作成する工法についても検討を進めた.また,Bi_2Te_3についても検討したが,適当な条件を得ることはできなかった. 2)CoSb_3系熱電発電材料の性能改善 ドーパントや焼結及び処理条件の最適化を図り(放電プラズマ焼結装置(SPS)の利用を含む),CoSb_3系熱電発電材料の性能改善を試みた.また,多少高温域で性能に優れるPbTeについても検討した.一部の成果は論文として報告済みである. 3)熱電発電材料の電子状態理論計算 CoSb_3系熱電発電材料の電子状態の理論計算を行っている.計算結果は実験結果を説明するだけでなく,より高効率な材料開発のために常にフィードバックしているが,一方でCoSb_3系熱電発電材料の性能限界も示唆しつつある.引き続き,中温域で高性能なZn_4Sb_3系熱電発電材料について検討していく予定である. 4)熱電発電モジュール一体型熱交換器の開発 これまでに開発した一体型熱交換器プロトタイプを用いて行った実験結果を元に,より熱回収効率を高めることを想定した熱交換器を設計・試作した.実測した温度分布を用い,数値シミュレーションにより評価した電気出力とエネルギー変換効率は,当初の見込みを上回るものであった.この結果を受けて,高性能熱電発電モジュール設計のためのシミュレーションプログラム開発に着手した.このプログラムは動作温度域に応じた熱電モジュールの最適配置と予想出力を与えるものである.今後,熱電モジュール搭載試験を行い,振動や熱履歴あるいは熱衝撃に対する耐久試験を行う予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H, Ishii, K.Okazaki, A.Fujimori, Y.Nagamoto, T.Koyanagi, J.O.Sofo: "Photoemission study of the skutterudite compounds CoSb_3 and RhSb_3"Journal of the Physical Society of Japan. 71・9. 2271-2275 (2002)
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[Publications] K.Kishimoto, T.Koyanagi: "Preparation of sintered degenerate n-type PbTe with a small grain size and its thermoelectric properties"Journal of Applied Physics. 92・5. 2544-2549 (2002)
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[Publications] K.Kishimoto, Y.Nagamoto, T.Miki, T.Koyanagi, K.Matsubara: "Microstructure and thermoelectric properties of Cr-doped β-FeSi_2 sintered with micrograins treated in radio frequency plasmas of SiH_4 and GeH_4 gases"Journal of Applied Physics. 92・8. 4393-4401 (2002)
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[Publications] K.Kishimoto, M.Tsukamoto, T.Koyanagi: "Temperature dependence of the Seebeck coefficient and the potential barrier scattering of n-type PbTe films prepared on heated glass substrates by rf sputtering"Journal of Applied Physics. 92・9. 5331-5339 (2002)
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[Publications] K.Kishimoto, K.Yamamoto, T.Koyanagi: "Influences of potential barrier scattering on the thermoelectric properties of sintered n-type PbTe with a small grain size"Japanese Journal of Applied Physics. 42・2A. 501-508 (2003)