2003 Fiscal Year Annual Research Report
大気液相中OHラジカルの計測並びに植物への毒性作用評価に関する研究
Project/Area Number |
14380244
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐久川 弘 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (80263630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 孝雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (00094102)
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 教授 (90136010)
中根 周歩 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00116633)
竹田 一彦 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (00236465)
小林 剛 香川大学, 農学部, 助教授 (70346633)
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Keywords | ヒドロキシルラジカル / 暴露実験 / 酸性ガス / マンニトール / アカマツ / ディーゼル排ガス |
Research Abstract |
今年度は、大気中の硝酸ガス、亜硝酸ガスなどの酸性ガスを昨年度に引き続き測定し、大気液相中ヒドロキシルラジカル(OH)生成の由来物質の一つである硝酸イオン、亜硝酸イオンの動態について検討した。その結果、アカマツの立ち枯れが進行している地域では、大気中の硝酸ガスや亜硝酸ガス濃度が高かった。さらにこれらがアカマツ枝葉上に沈着し、朝露中に溶解・凝縮され、高濃度の硝酸イオン、亜硝酸が存在している可能性を明らかにした。また、ディーゼル排ガスの捕集液は、光化学的にOHラジカルを生成し、主に亜硝酸から生成することが明らかとなった。 OHラジカルによるアカマツ生理活性への影響を調べるため、OHラジカルを生成する汚染物質を含む複数の擬似露水(亜硝酸溶液、硝酸イオン溶液、鉄・過酸化水素・シュウ酸溶液)やディーゼル排ガスの捕集液をアカマツ枝葉上に暴露させ、ガス交換速度など生理活性に及ぼす影響を調べた。さらに、マンニトールをディーゼル排ガス捕集液に添加することによるOHラジカル影響の回避実験も行い、その効果について検討した。その結果、暴露3ヶ月後、硝酸溶液によるOHラジカル発生溶液の暴露区では肥料効果によって、アカマツ苗木の光合成速度は低下しなかったが、亜硝酸、鉄・過酸化水素・シュウ酸溶液やディーゼル排ガス捕集液の暴露区では低下し、葉内のSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)活性も上昇した。また、ディーゼル排ガス捕集液にマンニトールを添加してOHラジカルを消去する暴露区では光合成速度の低下を示さなかった。マンニトール添加によってディーゼル排ガス捕集液による暴露区において光合成低下を抑えられた本実験結果は、野外におけるアカマツ衰退の回避にマンニトールが実用化されうることを示しており、アカマツ衰退制御に重要な知見となりうることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chiwa Masaaki: "Rainfall, stemflow, and throughfall chemistry at urban- and mountain-facing sites at Mt. Gokurakuji, Hiroshima, western Japan"Water Air and Soil Pollution. 146. 93-109 (2003)
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[Publications] Kim Do Hoon: "The photochemical reactions of iron species in rain and snow in Higashi-Hiroshima, Japan"Analytical Science, Technology. 16. 466-474 (2003)
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[Publications] Nurrohim Agus: "A fuel-based inventory of NO_x and SO_2 emissions from manufacturing industries in Hiroshima prefecture, Japan"Applied Energy. (In press). (2004)