2003 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル法による焼却飛灰の無害化及び再資源化に関する研究
Project/Area Number |
14380266
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
細見 正明 東京農工大学, 工学部, 教授 (90132860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 智司 東京農工大学, 工学部, 助手 (80313295)
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Keywords | ダイオキシン類 / 分解 / メカノケミカル処理 / 脱塩素化 / 反応機構 / 水素化還元 / 重合 |
Research Abstract |
PCDDsのモデル物質としてO8CDD、PCDFsのモデル物質としてO8CDFを各々2時間メカノケミカル処理した。この際、反応助剤としてCaOを使用した。処理開始直後に、T4〜H7CDDsやT4〜H7CDFsの生成が確認され、これよりMC処理により脱塩素化反応が生じることが明らかとなった。しかしながら、それらの見かけ上の生成量は親化合物であるO8CDDやO8CDFの量と比べて極微量であった。一方、反応終了後に残渣から熱水を用いて塩化物イオンを抽出し定量した結果、O8CDDやO8CDFはほぼ100%脱塩素化されていることがわかった。なお、塩化物イオンの定量からダイオキシン類の脱塩素化を明らかにした研究例は本研究以外、これまで見られなかった。また、この結果は低塩素化PCDDsやPCDFsの生成を伴わない他の脱塩素化反応経路を示唆した。本処理では水素源を加えていないため、生成したT4〜H7CDDsやT4〜H7CDFsの水素はボールミル内の空気に由来していると考えられた。さらに、メカノケミカル処理後の残渣は黒色を呈しており、脱塩素化したO8CDDやO8CDFの炭素分が無機化している可能性も考えられた。そこで、こうした可能性を検証するため、重水素置換/非置換ビフェニル(クロロビフェニルのメカノケミカル処理における中間生成物)をメカノケミカル処理し処理生成物のマスフラグメントパターンを比較した結果、重水素ではない通常の水素を含む生成物が確認された。さらに、ベンゼン環の解裂と生成物の低分子化が認められた。これらの結果は、先の考察を支持した。
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