2004 Fiscal Year Annual Research Report
富士山における人為的撹乱地の保全と回復-フジアザミ群落から木本植物群落へ-
Project/Area Number |
14380269
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
増澤 武弘 静岡大学, 理学部, 教授 (40111801)
|
Keywords | 富士山 / 高山・亜高山帯 / 移植実験 / 菌根菌 / 土壌の富栄養化 / ミヤマヤナギ |
Research Abstract |
平成14〜15年度にかけて、富士山の南東斜面の高山・亜高山帯に調査地を設定し、人為的撹乱の実態を調査し、かつその変動をとらえた。主な調査地点は、高山帯は表富士5合目宝永火山口付近、亜高山帯は御殿場太郎坊双子山周辺とした。この地域は雪崩・山崩れなどの自然現象に加え、人為的な撹乱を強くうけ、現在裸地化が進行している。特に双子山周辺はオフロード車などの侵入により広く撹乱を受けた場所である。 15年度には調査地点を上記の2ヶ所の他、1993年に成立したミヤマハンノキ区を特定し、そこにおける両種の群落構造の調査を行い、実験材料の確保と植生保全のための永久コドラートの設置を行った。 16年度には、15年度と同様な調査を継続して行った。また、昨年度4年計画のもとに調査実験区(10m×20m)を4区設置し、ミヤマヤナギの押木および移植の実験を行ったが、同時にフジアザミとミヤマハンノキを用い、第一、第二、第三段階を想定し、混生密度実験を行った。16年度もこれらの実験区についで引き続きデータの収集を行った。本年度は多量の苗を移植し、それらの生育状況を記録した。また、菌根菌の役割に注目して調査を行った。その結果、ミヤマハンノキの周辺に生育する他の草本植物とともに菌根菌の付着が明らかになった。 研究成果として、「富士山森林限界付近の土壌呼吸」、「富士山の砂礫地における菌根菌」、「富士山のミヤマハンノキ群落地の植物の耐凍性」として専門誌に発表することができた。
|
Research Products
(3 results)