2002 Fiscal Year Annual Research Report
原位置バイオレメディエーションにおける地下地盤環境の微生物群集の動態解析と制御
Project/Area Number |
14380270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (60185808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 康 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10293648)
三宅 克英 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助教授 (90252254)
渡邉 彰 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50231098)
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Keywords | 黄色台地土 / 物理性 / 科学性 / 生物性 / キノンプロファイル法 / 油分解活性 / 分解微生物の移動性 / カオリン |
Research Abstract |
化学物質による地盤汚染に対し、微生物を用いた原位置バイオレメディエーション技術の開発が待望されている。しかし、原位置バイオレメディエーションで必要不可欠な、原位置(地下地盤)における分解微生物の分布・移動・活性の把握とその制御に関する知見は非常に少なく、今後の研究の大きな課題となっている。そこで、本研究では、地下地盤環境における分解微生物の分布・移動・活性の把握とその制御を目的とした。具体的には、1)深度数メートルまでの地盤における微生物群集の解析、2)微生物の移動性の解析法確立の2点を集中的に研究を進め、原位置バイオレメディエーション技術の基礎的知見を得ることを目指している。 初年度である平成14年度は、地下地盤の実態調査を行い、その物理化学的環境、微生物群集構造を測定した。また微生物導入試験に関しては、地盤中の微生物移動性のモデル試験を行った。 1)地下地金の微生物群集解析 名古屋で特徴的な黄色土で覆われた台地でコアーをとり、その物理性、化学性および微生物性(分解微生物を含む)を測定した。物理性には、水分や間隙率の他、水分-水分エネルギー曲線を測定し、その空隙のサイズ分布を推定した。化学性として、pH、EC、全炭素量、全窒素量を測定した。生物性としては、全微生物群集構造と分解微生物群の解析をキノンプロファイル法を用いて行った。以上の調査より、この地盤の下層では孔隙径が小さく透水性が低いこと、またpHは5.0前後まで低下し有機物含量も殆ど無くなること、微生物量は表層土にくらべて数分の一から十分の一程度まで減少しており、また菌種も限られることが解った。下層の微生物の油分解活性は低いが、松の根などの周辺では高い活性が見られた。 2)微生物の移動性の解析法確立 地盤に分解菌を導入するバイオオーギュメンテーションを想定し、分解微生物の地下地盤へ導入した際の移動性モデル試験を、カオリン粒子を用いて行った。流速依存性の現象の現れ方が現れる場合と現れない場合があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Katayama, A, 他5名: "Changes in microbial community structure in soils incorporated with the mixture of glucose and peptone with reference to respiratory quinone profile"Soil Science and Plant Nutrition. 48・6. 841-846 (2002)