2002 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物焼却灰中の有害重金属の結晶性リン酸ジルコニウムによる永久固定化処理技術
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14380281
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
中山 享 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (50300637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 克彦 第一稀元素化学工業(株), 理事
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Keywords | リン酸ジルコニウム / 廃棄物焼却灰 / 有害重金属 / 永久固定化 / 浸出特性 / セラミックス / 三次元網目構造 / 水熱合成 |
Research Abstract |
各種の金属元素硝酸塩<M(NO_3)_n>を、ZrOCl_2、H_3PO_4、H_2C_2O_4の混合溶液から水熱反応で合成したNH_4Zr_2(PO_4)_3を熱分解することにより調製した結晶性プロトン型リン酸ジルコニウム<HZr_2(PO_4)_3>と混合し、700℃で5時間熱処理することにより、HZr_2(PO_4)_3中へのMの固定化が可能であることを、これまでに報告してきたが、今回改めて本固定化法が適用できる金属元素を確認したところ、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ag、Cd、Tl、Pb、Bi、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの38種類の金属元素が固定化可能であることを確認した。そのうち、1価のアルカリ金属、2価のアルカリ土類金属、3価の希土類金属元素を対象にした一連の固定化体を作製したところ、すべてNASICON型結晶構造をとり、その格子定数aは固定化金属元素のイオン半径が大きくなるに従って単調に小さくなり、cは大きくなることがわかった。また、1mol・dm^<-3>-HCl中にて160℃で24時間の各固定化金属元素の浸出試験を検討したところ、浸出率は固定化金属元素のイオン半径が大きくなるに従い低くなる傾向が認められた。また、その浸出率は10^<-4>mol・m^<-2>・day^<-1>以下と環境庁告示13号法による溶出試験の検出限界以下の非常に少ない浸出量であった。上記のように、HZr_2(PO_4)_3を用いた金属元素固定化体の特性は、主に固定化金属元素のイオン半径に影響を受けることがわかった。しかしながら、本研究課題の対象元素である廃棄物焼却灰中に存在し永久固定化が要望されている有害金属元素(Cd、Pb、Zn、Cr、Hg、As、Cu)のうちCr、Hg、Asは、本固定化法が適用できないことがわかった。ただし、.新たに見出した高温・高圧処理法を用いると固定化対象元素が溶液中にイオンで存在していればHZr_2(PO_4)_3に容易に固定化でき、この処理法がCr、Hg、Asにも適用できることを最近確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Itoh, S.Nakayama: "Immobilization of cesium by crystalline zirconium phosphate"Journal of Materials Science. 37. 1701-1704 (2002)
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[Publications] S.Nakayama, K.Itoh: "Immobilization of strontium by crystalline zirconium phosphate"Jorunal of the European Ceramic Society. 23. 1047-1052 (2003)
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[Publications] 中田寛子, 影山達也, 伊藤克彦, 中山享: "HZr_2(PO_4)_3によって固定化されたアルカリ及びアルカリ土類金属元素の浸出特性"Journal of the Ceramic Society of Japan. 111(印刷中). (2003)