2002 Fiscal Year Annual Research Report
がん遺伝子治療用の非ヘテロ四量体形成性がん抑制タンパク質p53の設計と開発
Project/Area Number |
14380290
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂口 和靖 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (00315053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下東 康幸 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00211293)
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Keywords | ヘテロオリゴマー / コンビナトリアルライブラリー / ペプチド / ドミナントネガティブ |
Research Abstract |
がん抑制遺伝子p53の変異は、ヒト悪性腫瘍で最も多く認められる異常であり、がん遺伝子治療の最も重要なターゲットのひとつとなっている。本研究の目的は、正常型p53の立体構造と機能を保持したままで、悪性腫瘍中の変異型p53とヘテロ四量体を形成しない遺伝子治療用の改良型p53を設計、開発することである。本年度は、改良型p53四量体の初期配列の設計のための四量体形成ペプチドのスクリーニングを実施した。まず、319-358位の40アミノ酸残基よりなるヒトp53四量体形成ドメインを母体ペプチドとして、二量体間の相互作用に関わる主要な4個の疎水性アミノ酸残基(Met340、Leu344、Leu348、Leu350)をそれぞれ7種の疎水性アミノ酸Trp、Tyr、Phe、Met、Leu、Ile、Valでランダム化したコンビナトリアル-ペプチドライブラリー(Lib-4)を作製した。また、p53四量体立体構造形成に重要な9個の疎水性アミノ酸残基すべてをランダム化したLib-9ライブラリーも併せて作製した。作製したLib-4ライブラリーを用いて、四量体形成能を有するペプチドを非変性条件下ゲルろ過クロマトグラフィーにかけ、正常型四量体ペプチドと同じ位置に溶出されるペプチドをスクリーニングした。得られた四量体ペプチド分画を、N末端をビオチンでラベルした過剰の正常型四量体ペプチドと変性条件下で混合した後、非変性条件下に戻し四量体を形成させ、これをアビジンビーズカラムを通しフロースルーを分画した。この操作により、正常型四量体ペプチドとヘテロ四量体を形成するペプチドはビオチン-アビジン相互作用により除去される。CD解析により、このフロースルー分画中のペプチド混合物は天然型四量体ペプチドとほぼ同一の構造をとることが示され、これが目的とするヘテロ四量体を形成しないペプチドを含んでいることを強く示唆した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kuwata T. et al.: "Gamma interferon triggers interacition between ICSBP(IRF-8)and TEL, recruiting the histone deacetylase HDAC3 to the interferon-responsive element"Mol. Cell. Biol.. 22・21. 7439-7448 (2002)
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[Publications] Kawano, M. et al.: "Structural requirements of nociceptin antagonist Ac-RYYRIK-NH2 for receptor binding"J. Pept. Sci.. 8・10. 561-569 (2002)
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[Publications] Sakaguchi, K. et al.: "Phosphorylation Site-Specific Monoclonal Antibody Recognizing Ser(P)-Gln Sequence"Peptide Science. (in press). (2003)
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[Publications] Fukahori, H. et al.: "Specific Affinity Labeling of Delta Opioid Receptors via Thiol-Disulfide Exchange Reaction"Peptide Science. (in press). (2003)