2004 Fiscal Year Annual Research Report
非天然アミノ酸を利用した人工構造モチーフ構築に基づく人工蛋白質の創出
Project/Area Number |
14380292
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 北里大学, 理学部, 助教授 (30203003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 茂郎 北里大学, 理学部, 教授 (80213619)
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Keywords | 人工蛋白質 / 非天然アミノ酸 / ペプチド / ルテニウム / ビピリジン / 光化学的声質 / CDスペクトル / 光機能 |
Research Abstract |
我々は、金属イオンに配位し得る非天然アミノ酸として5'-アミノ-2,2'-ビピリジル-5-カルボン酸を複数導入したペプチドを合成し、金属イオンへの配位結合を介して、人工的な構造モチーフをもつ人工蛋白質を創製することを目指して研究を行っている。これまでに非天然アミノ酸の合成方法を確立し、その導入ペプチドの合成に成功していたが、非天然アミノ酸のアミノ基の反応性が低いために、次のアミノ酸導入の反応条件が厳しくなり、導入できるアミノ酸の種類が限定されるという欠点があった。本年度は、非天然アミノ酸のアミノ基に天然アミノ酸を導入したジペプチドユニットを別途合成し、それをペプチド合成に用いることによって、非天然アミノ酸導入ペプチドが高効率、高収率で得られることを見出した。この方法を用いて、非天然アミノ酸を1残基含むトリペプチドから、3残基含む21残基ペプチドまで多数のペプチドが合成できるようになった。本年度は、この21残基ペプチドを鉄(II)イオンと反応させ、541nmにMetal-to-Ligand Charge Transfer(MLCT)基づく吸収を観測することにより、鉄(II)錯体の生成を確認することができた。また、金属にルテニウム(II)イオンを用いると、得られる人工蛋白質のコア部分は、ルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体となり、光機能の発現が期待されることから、ルテニウム(II)錯体については、非天然アミノ酸を1残基含むトリペプチドを配位子とする錯体を合成した。その4種類の異性体(Δ-fac,Λ-fac,Δ-mer,Λ-mer)を単離精製することに成功し、CDスペクトルを測定することによってキラル構造を決定し、それらの光化学的挙動を検討した。
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Research Products
(3 results)