2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
臼倉 治郎 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30143415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 祐治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80252229)
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Keywords | 細胞膜 / 膜の裏打ち構造 / 免疫細胞化学 / CRMP-2 / IQCAP-1 / 急速凍結 / 神経成長円錐 / フリーズエッチング |
Research Abstract |
本年度は引き続き神経成長円錐の膜裏打ち構造の解析を行った。CRMP-2がクラスリンにNumbを介して結合し、membrane recyclingに関与していることは昨年の実験から明らかになったが、アクチン線維上に結合しているCRMP-2がどのような機能を担っているかは明らかではない。アクチン線維と膜との結合様式、すなわちどのような蛋白が如何に作用しているかを明らかにするため免疫エッチングレプリカによる解析を行った。アクチン線維は細胞骨格内ではバンドルを形成するが膜に近づくにしたがい分散するようになる。膜直下では単一の線維となり膜に密着して走る。いくつかのアクチン結合蛋白のうちIQCAP-1は主に周辺膜直下のアクチンと結合し、バンドルを形成しているアクチン線維とは結合しない。したがって、アクチン線維と膜との接着に関与していることが考えられる。また微小管も膜裏打ち構造を形成する要素の一つであり、膜直下を密着しながら走行する。アクチン線維との交差も認められ、そこにIQCAP-1も少なからず認められるのでアクチン線維と微小管の接着にも関与しているかもしれない。このようなことが明らかになる中で、我々は膜の裏打ち構造をレプリカではなく、水を含んだ新鮮状態で観察する試みを始めた。このため工学部と共同で一昨年購入したヘリウムを用いて試料台を10Kまで冷却できる電子顕微鏡を用いた。標本作製に当たっては本研究計画で確立された膜採取法を用いた。すなわち、カーボンフィルムを張ったグリッドをアルシアンブルーで処理した後培養細胞表面に接着しその膜を採取し、そのまま急速凍結し、氷包埋する。これを凍結したままクライオ電子顕微鏡で見ることにより、ほぼエッチングレプリカ同様にアクチン線維、微小管、クラスリン被覆小体などを観察することに成功した。これは今後の研究の発展にとって極めて重要な一歩となった。
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Research Products
(4 results)