2004 Fiscal Year Annual Research Report
クランプークランプローダー系を介したDNA複製とDNA傷害応答の接点の研究
Project/Area Number |
14380328
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
釣本 敏樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30163885)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 泰史 九州大学, 理学研究院, 学術研究員 (80380567)
|
Keywords | 染色体接着 / DNAポリメラーゼ / ATPase / ユビキチン / クランプ / クランプローダー |
Research Abstract |
1.染色体接着系クランプローダーChl12/RFCによる複製系クランプPCNAの機能変換 染色体接着系クランプローダーであるChl12-RFC複合体は複製クランプPCNAの第2のローダーとして機能することを明らかにした。さらに細胞内ではPCNAローダーを使い分ける機構があることを想定して、細胞抽出液からその特異性因子を検索した。その結果Chl12-RFCによるPCNAローディングを抑制する因子およびChl12-RFCによって特異的に促進を受けるDNAポリメラーゼ活性を見出した。 2.WRNヘリカーゼ結合タンパク質(WRNIP1)とDNAポリメラーゼδの相互作用の解析 クランプローダーRFCに類似性を持つヒトWRNIP1はWRNヘリカーゼに結合するだけでなく、ヒトDNAポリメラーゼδと特異的に相互作用する。この因子の機能を明らかにするため、ヒトWRNIP1の発現系を構築し精製した。その結果、DNAにより促進されるATPase活性を持つ8量体複合体として振舞うことを明らかにした。またDNAポリメラーゼδと結合することでその合成開始効率を上昇させ、さらにこの活性促進は自身のATPase活性によって負に調節を受けることを明らかにした。このことからWRNIP1はDNA損傷を感知しながらDNAポリメラーゼδのDNA合成活性の制御を行っていることが示唆された。 3.ユビキチン化PCNAによる複製とDNA修復系の連係の研究 複製クランプPCNAのユビキチン化による、複製とDNA修復系の連係を解析するため、ユビキチン化されたPCNAを作成し、その機能変化を解析した。その結果、RFCによるDNAへのローディングは影響を受けなかった。しかしPCNAによって活性促進を受けるDNAポリメラーゼの中にはユビキチン化PCNAにより活性が抑えられるものがあり、PCNAの機能変換機構の存在が示唆された。
|
Research Products
(4 results)