2004 Fiscal Year Annual Research Report
減数分裂における核分裂と細胞膜構築のカップリング機構の解明
Project/Area Number |
14380338
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Research Institution | Graduate School of Science, Osaka City University |
Principal Investigator |
下田 親 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | 胞子形成 / 減数分裂 / 胞子形成 / スピンドルチェックポイント / 動原体 / 分裂装置 |
Research Abstract |
分裂酵母gis変異株は高頻度で2胞子子嚢を形成し、減数分裂と前胞子膜形成の協調機構が失われた変異株だと考えられる。以下のgis変異株の詳細な解析から減数分裂と胞子膜形成のカップリング機構についてのモデルを構築することができた。 1.スピンドル極体(SPB)、前胞子膜、スピンドル微小管をGFP標識した特異的タンパク質で染色し解析する方法を確立した:分裂装置と前胞子膜を異なるGFPバリアントで標識し生細胞でタイムラプス観察することが可能になった。野生型株では前胞子膜は第二減数分裂前期に開始し、前胞子膜の閉環はスピンドル崩壊後に起こることを明らかにした。 2.gis変異株の減数分裂および前胞子膜形成のキネティクス解析:1と同じ方法を3つのgis変異株に適用した。変異株では第一分裂中期が長く後期移行が遅延していた。この遅延がスピンドルチェックポイントの活性化によることをgis1/nda3 mad2二重変異株の解析で明らかにした。また、gis2,gis3変異とmad2変異の二重変異株は致死になることからもgis変異が分裂装置の異常を引き起こしスピンドルチェックポイントの活性化することが確認できた。 3.モデルの構築:減数分裂誘導から第一および第二分裂までの所要時間と前胞子膜形成のタイミングを詳細に調べたところ、野生型株とgis変異株で前胞子膜形成の形成開始時間には有意な差がないことがわかった。これらのデータより、gis変異株で胞子形成は第一分裂で開始し高頻度で2胞子子嚢が形成されるのは主として、第一分裂中期の遅延に原因があるとのモデルが妥当と考えられる。
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