2004 Fiscal Year Annual Research Report
コンタクチンサブグループ分子とNotch間情報伝達を介するミエリン形成機構
Project/Area Number |
14380365
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 和忠 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70114717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 靖 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00291154)
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Keywords | コンタクチン / Notch1 / オリゴデンドロサイト / Deltex1 / MAG / ミエリン |
Research Abstract |
コンタクチンは神経系に特異的に発現している免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞認識分子であり、有髄神経のランビエの絞輪に隣接するパラノード構造維持に必須の役割を果たしていることが示されている。コンタクチンは進化的に同一の分子から派生したと考えられるNB-3を含む他の5種類の分子とともにサブグループを形成している。私たちは、本研究においてコンタクチンがNotchの新たな基質であることを示し、有髄神経のミエリン形成過程でNotch-Jagged1のトランスの相互作用からNotch-コンタクチンの相互作用に切り替えることによってオリゴデンドロサイトの成熟を促進することを明らかにした。オリゴデンドロサイトの分化抑制状態ではNotch-Jagged1のシグナルがRBP-JとNICDを介して核に伝えられるのに対し、成熟促進においてはコンNotch-コンタクチンのシグナルはDeltex1とNICDを介して核につたえられMAGの発現を上昇させ、オリゴデンドロサイトの分化を促進することを明らかにし報告した。このようにコンタクチンがミエリン鞘形成・維持に重要な役割を果たしていることを明らかにしたが、他のサブグループ分子の役割については殆ど明らかにされていない。そこで、本年度はコンタクチンサブグループであるNB-3についてNotchとの相互作用を調べることにした。その結果NB-3はコンタクチンと同様にNotchと結合し、Deltex1とNICDを介して核につたえられMAGの発現を上昇させることを明らかにした。NB-3はコンタクチンよりも早い時期から発現し、オリゴデンドロサイト様に分化する細胞株OLN-93を使用した実験ではコンタクチンより顕著に分化・成熟させる働きが強いことも明らかにし報告した。
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