2003 Fiscal Year Annual Research Report
初期視覚系における輸郭線の折れ曲がり、分岐の表現の神経メカニズムの研究
Project/Area Number |
14380371
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊藤 南 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20311194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50311197)
小松 英彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00153669)
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Keywords | 大脳皮質視覚野 / 輪郭線 / 折れ曲がり / 分岐 / 霊長類 / V2野 |
Research Abstract |
本研究課題は物体の形状を認識する過程を明らかにするために図形の輪郭に含まれる折れ曲がりや接合パターンが初期視覚野でどのように検出されているのかを調べることを目的とする。課題前半部分では第二次視覚野を対象に単一細胞記録中に刺激のパラメーターを操作して輪郭線の折れ曲がりに対する反応選択性を詳細に調べることを計画した。二頭のサルをあらかじめ注視課題で訓練し、課題遂行中に第二次視覚野のII/III層より記録した。2本の半直線成分を組み合わせて刺激セットを作成した。これまで記録した114の単一細胞外記録のうち91細胞は刺激セットのいずれかの刺激に反応し、41細胞(36.0%)は受容野を横断しかつその中央部分で折れ曲がるような60°〜150°の折れ曲がり刺激に対して選択的な反応を示した。従って従来考えられてきた以上に多くの細胞が折れ曲がりに対して選択性を示し、一方個々の半直線成分に依らずに折れ曲がりの角度や刺激の方向を表すものがないことが明らかになった。多数の細胞で刺激セットに対する反応が1〜2方向の半直線成分に依存しており、それらは半直線成分を単独で呈示して調べた方位選択性とよく合致した。それらの多くは二本の半直線成分の特異的な組み合わせに依存し、単に個々の半直線成分に反応するものではなかった。組み合わせ刺激に対する最適反応と半直線成分に対する最適反応の大きさがほぼ同じことから、折れ曲がり選択性の形成に方位選択的な抑制性入力との組み合わせが関与することが示された。我々は受容野周囲の不均一な抑制性入力が寄与しているのではないかと考え、今年度からは半直線成分の長さを変えることによる折れ曲がり刺激に対する反応の変化を調べている。これらの結果は第二次視覚野が方位選択的な線情報の組み合わせにより輪郭線の折れ曲がりや分岐を検出する最初のステップであることを示唆する。
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Research Products
(1 results)