2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病遺伝子座導入コンジェニックラットを利用した糖尿病原因遺伝子特定
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14380384
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 耕三 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (00002246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小瀬 博之 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (90314856)
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Keywords | type 2 diabetes / congenic stra / sub-congenic starains / OLETF rat / obesity / proteome |
Research Abstract |
コンジェニックラットによる糖尿病原因遺伝子の単離をめざして。 サブコンジェニックラットによる解析:最終年度はサブコンジェニックラットの多数のラインを完成させ、原因遺伝子を絞り込み、さらに、プロテオーム解析、リアルタイムPCRによる遺伝子発現等の手段を使い、実際に遺伝子を同定することが、ゴールであった。 染色体14番上にマップされた糖尿病遺伝子座の一つであるNidd2は高血糖のみではなく肥満因子もその領域に含んでいることから、その領域を狭めるためにその領域に関するサブコンジェニックラットをおよそ数cMの違いでOLETF由来遺伝子が組み変わったライン、10系統を作出し、その特性を調べたところ、個々のラインの血糖値は期待した値を示さないことから、Nidd2領域内に複数の遺伝子が相互作用していると考えられた。おそらくその領域の両サイドが関連している可能性が高いのでその両サイドのみを持つダブルコンジェニック系統を作出したところである。 プロテオーム解析:上記のNidd2コンジェニックラットとその基準ラットF344の若週齢と20週齢でのタンパク発現の相違を2Dゲル電気泳動法で解析した。臓器はターゲット臓器である膵臓、肝臓、筋肉を対象とした。その結果、筋肉タンパク発現において、分子量約55kD、やや酸性側に加齢に伴いそのポジションを変えるタンパク質が認められ、その動態がNidd2コンジェニックラットと機銃系統であるF344ラットとで明らかに異なるタンパクが認めれらた。まだそのタンパクが何であるかは同定できていないが、有力な原因遺伝子候補である。 遺伝子発現による解析:リアルタイムPCR法により、Nidd1コンジェニックラットと基準系統であるF344ラットに於けるmRNA発現動態を解析した。Nidd1領域にはおよそ100前後のknownの遺伝子のあることがラットシーケンスデータベースから判明した。今回はLOD scoreの中心領域にフォーカスを絞り、その領域約50種類の遺伝子に対するプライマーを作成し、リアルタイムPCRにて解析した。その結果、3遺伝子程度が有意差を示し、糖尿病原因遺伝子の候補であると考えている。 このように、本研究はそのコンジェニックラット作成の果実を現在取り込み中であり、多因子病の原因遺伝子解析に、コンジェニックラットは非常に有用であることが、実際に照明された。
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Research Products
(4 results)