2003 Fiscal Year Annual Research Report
異種動物由来物を用いない再生医療用ヒト細胞培養システムの構築
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14380406
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 嘉浩 (財)神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (40192497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池淵 研二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20175194)
牧野 弘 (財)神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (00359118)
野川 誠之 (財)神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (90359117)
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Keywords | 臍帯血 / 造血幹細胞 / CD34陽性細胞 / 骨髄ストロマ細胞 / サイトカイン / 細胞固定化 / テロメラーゼ / 不死化細胞 |
Research Abstract |
膀帯血中の造血幹細胞をその性質(自己複製能、造血再構築能)を保持したまま体外で増幅できれば、従来の移植細胞量の制限がなくなり、体重の重い成人にも白血病治療など様々な治療に応用できる。昨年度は、固定化ストロマ細胞の効果について実験系の確立とその評価を中心に研究を行った。本年度は、昨年度の継続と、新しい体外増幅法、分化制御について検討を行い、その実績を以下にまとめる。 (1)テロメラーゼ遺伝子を導入し不死化したヒト骨髄ストロマ細胞の単層培養を24ウェルプレートに作成し、グルタールアルデヒド、パラフォルムアルデヒド溶液で5〜30分間固定し、よく洗浄した。この上に、ヒト膀帯血単核球から免疫磁気ビーズ法を用いて純化したCD34陽性細胞を播種し、サイトカインであるSCF、TPO、FLを添加して培養した。培養2週、3週後に細胞の一部を回収し、細胞数およびコロニー前駆細胞数を測定した。グルタールアルデヒド固定ストロマ群で最大の効果が得られた。そしてこの効果がストロマ細胞をCD34陽性細胞との直接接触による寄与が高いこともわかった。さらに、この固定化細胞は長期間の冷蔵保存が可能であることがわかった。 (2)サイトカインであるトロンボポエチン、ストロマ細胞に含まれていると考えられるmKirr、Notchリガンドを光固定化した基板を調製し、その上でのCD34陽性細胞の培養を行ったが、現在のところ、効果的な結果は得られていない。現在、固定化のためのマトリックスや固定化方法、さらに担体に基板ではなく、微粒子や水溶性高分子を用いる方法について検討中である。 (3)CD34陽性細胞から分化によって好中球を調製する方法について検討した。この培養好中球と、末梢血に含まれる好中球との機能比較を生体外で行ったところ、培養好中球では貪食能は高かったが、遊走能は低かった。現在、動物実験により詳しい解析を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 伊藤嘉浩ほか: "Immobilization of erythropoietin to culture erythropoietin-dependent human leukemia cell line"Biomaterials. 25. 2293-2298 (2004)
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[Publications] 伊藤嘉浩, 野川誠之: "Preparation of a protein micro-array using a photo-reactive polymer for a cell adhesion assay"Biomaterials. 24. 3021-3026 (2003)
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[Publications] 伊藤嘉浩, 野川誠之ほか: "On-off switching of polymer self-oscillation by temperature control"Langmuir. 19. 9577-9579 (2003)
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[Publications] H.Liu, 伊藤嘉浩: "Gradient-micropattern-immobilization of a thermo-responsive polymer to investigate its effect on cell behaviors"J.Biomed.Mater.Res.. 67A. 1424-1429 (2003)
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[Publications] I.-KK.Kang, 伊藤嘉浩ほか: "Co-culture of hepatocytes and fibroblasts by micro-patterned immobilization of b-galactose derivatives"Biomaterials. (印刷中). (2004)
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[Publications] 宮本寛治, 伊藤嘉浩ほか: "Human Placenta Feeder Layers Support Undifferentiated Growth of Primate Embryonic Stem Cells"Stem Cells.. (印刷中). (2004)
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[Publications] 伊藤嘉浩: "糖鎖/バイオマテリアル/分子認識/バイオインフォマティクス(先端化学シリーズIII)"丸善. 286 (2003)