Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏家 弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00138869)
常 徳華 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10343550)
仁木 清美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40218095)
岡田 孝 アロカ株式会社, 研究所, 主任
原田 烈光 アロカ株式会社, 研究所, 課長
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Research Abstract |
ウェーブ・インテンシティ(wave intensity, WIと略記)からは,心収縮性を表す指標,拡張特性を表す指標,末梢からの反射波の影響(末梢抵抗の大きさ,血管攣縮,血管の硬さ,等に関連)を表す指標,等を定義できる.従って,病的心臓の動作状態,末梢循環(脳循環も含む)の病的状態,あるいはこれらの干渉の解析において,WIは他の指標にはみられない有用性を発揮することが期待される.われわれの研究目的は,WIを超音波法により非侵襲的に測定する装置を実用化し,これを臨床応用し,脳循環も含めた循環系疾患の病態の解析,治療効果の判定,予後の評価等に役立てることである. 本年度は,従来からアロカ社と協力して開発してきたWI測定システムの試作機(SSD5500)を改良し,市販に向けての次世代機(SSD6500)を開発し,その評価を行った.データの収集は,東京女子医大,ウェールズ大,およびベルリン心臓センターで行った.東京女子医大では,正常例と各種心血管疾患例および高血圧症例からデータを収集し,SSD6500の基本性能の評価,および正常例と疾患例のWIの特徴を比較検討し,病態生理解析上のWIの有用性を明らかにした.ウェールズ大では,正常例において呼気再呼吸法により炭酸ガス分圧を上昇させた場合の脳循環からの反射波の変化を測定した.ベルリンでは,昨年同様,心臓移植前の拡張型心筋症のデータ集積を行っている. 昨年度開発した1点で脈波速度を測定する新しい方法は,現在すでにSSD6500に組み込まれている.脈波速度の測定が可能となったことにより,WIを前進波成分と反射波成分に分離することができるようになった. 次年度は,WIの前進波成分と反射波成分を用いたより詳細な解析法を展開する予定である.また,市販機の臨床評価と応用を進める予定である.
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