2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14390002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒川 政彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 浩一 防災科学技術研究所, 長岡雪氷防災研究所, 主任研究員 (10180639)
竹井 巌 北陸大学, 薬学部, 講師 (70247477)
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Keywords | 高密度雪 / 衝突採掘 / 焼結 / クレーター / 力学強度 |
Research Abstract |
本年度は、高速度における高密度雪の衝突特性を実験的に研究した.特に雪の焼結が及ぼす衝突採掘量への効果を衝突実験により調べた.実験試料は直径13.5cm,高さ10cmのステンレス容器に氷粉末(<500μm)を詰めて準備した.実験は-5,-10,-18℃で行った.試料の空隙率は,35〜45%であり,標準の焼結時間は15分である.-10℃の実験では,焼結時間を3分から60時間と変化させて焼結度の影響を調べた。衝突実験は氷弾丸をヘリウムガス銃を用いて3〜150m/sに加速して行なった.実験後,衝突クレーターの質量減少量や直径,深さ等を計測し,衝突採掘量を調べた. 焼結時間が15分(一定)である場合,-10℃では速度増加とともに採掘量が大きくなるのが確認できた.温度が低くなると速度が同じでも,採掘量は極端に大きくなる.これは低温のため雪の焼結が進まず,強度による抑制を受けなかったからだと考えられる.温度が高い場合,今度は焼結が進むので採掘量は小さくなる.採掘量と弾丸の運動エネルギーの関係は,各温度,弾丸種類毎にべき乗の実験式でフィットでき,そのべき指数は条件に関係なくほぼ0.5と一定である.相関関係は温度が低くなるほど上方に移動する.今回の実験条件では,-5℃と-18℃で3倍程度の採掘量の系統的差が生じた.雪試料の強度は,焼結時間により大きく変化することが知られている.そこで焼結時間を3分から60時間の間で変化させ,衝突採掘実験を行った.-10℃,衝突速度100m/sでの回収試料を観察すると焼結時間が長くなるほど,採掘量が小さくなることがわかった.採掘量と焼結時間の関係を調べると,採掘量は時間のべき乗で減少することがわかった。
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Research Products
(6 results)