2005 Fiscal Year Annual Research Report
クレジット・デリバティブの法的問題、規制上の問題および会計問題
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14390010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
弥永 真生 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (60191144)
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Keywords | クレジット・デリバティブ / 会計 / 法人税 / 行為能力 / 公序良俗 |
Research Abstract |
本年度は、本研究課題の最終年度であり、昨年度までの研究でカバーできなかった部分を可能な限り、調査し、分析した。 まず、クレジット・デリバティブの私法上の効力との関係では、主として、2つの点について調査・検討を行った。すなわち、その射倖性ゆえに公序良俗に反するとされる可能性及び契約当事者の行為能力(とりわけ、法人の目的の範囲内の行為といえるか)について、欧米諸国の法制を調査し、前者については制定法によって対応している国が少なからずあるのに対し、わが国では明示的には賭博該当性を排除する規定は設けられておらず、公序良俗に反するとされる可能性があるという結論に至った(筑波法政39号において研究成果を公表)。他方、後者の問題については、とりわけ、アングロ・サクソン系の国々で問題となっており、わが国でも、公表された裁判例の範囲内では、法人の目的の範囲外とされたものはないが、とりわけ公益法人の資金運用との関係では問題があることが明らかになった(これを取り上げた研究成果は未公表)。 また、わが国では十分な議論はないが、欧米諸国では、クレジット・デリバティブが保険にあたり、保険業に対する行政的規制に服するかが議論されており、これらを参考に、わが国でどのように考えることができるかを考察した(これを取り上げた研究成果は未公表)。 さらに、各国における保証の会計処理について調査を行い、保証の会計とクレジット・デリバティブの会計とが接近しつつあることを見出した。すなわち、従来は、保証はオフバランスとされ、注記による開示にとどまっていたが、近年では、保証債務をその期待値で貸借対照表に-引当金としてであれ-計上する方向に動きつつあるのではないかと観察される一方で、クレジット・デリバティブも貸借対照表において認識されるのが一般的になりつつある。もっとも、クレジット・リンク債を組込みデリバティブとして取り扱うか否かの規準は必ずしも明確ではない。 以上に加えて、クレジット・デリバティブの販売をめぐる私法上の問題点について、アメリカ、イギリス、ドイツなどにおける投資者保護法制との関連で調査を行った。
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Research Products
(1 results)