2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14390012
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
工藤 一浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10195456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国吉 繁一 千葉大学, 工学部, 助手 (30092050)
中村 雅一 千葉大学, 工学部, 助教授 (80332568)
岸川 圭希 千葉大学, 工学部, 助教授 (40241939)
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Keywords | 有機発光トランジスタ / 静電誘導トランジスタ / フレキシブルディスプレイ / 有機半導体 / 縦型トランジスタ / 有機EL / ショットキーゲート / 真空蒸着膜 |
Research Abstract |
本研究では、有機系フレキシブルディスプレイ駆動用素子として有機半導体材料と埋め込み型ゲート電極を用いた静電誘導型トランジスタ(Static Induction Transistor : SIT)を作製し、その基礎的電気特性について調べた。有機半導体層として発光素子(EL素子)の正孔輸送層として広く用いられているα-NPDと高い移動度を有するペンタセンを有機薄膜層としたSIT素子を作製した結果、良好なSIT特性を有する素子を得ることが可能となった。また、ガラス基板上にソース、ドレイン電極として金(Au)蒸着膜、ゲート電極として半透明Al蒸着膜を形成したSIT素子の静特性を測定結果を調べた結果、Alゲート電極形状がトランジスタ特性に大きな影響を与えていることが判明した。そこで新規に導入した高真空蒸着装置を用いて、有機EL素子とSIT素子を組み合わせた有機発光トランジスタ構造(Organic Light Emitting Transistor : OLET)を作製し、素子のトランジスタ特性と発光特性の関係について調べた結果、スリット状ゲート電極間隔がOLETの動作、特に輝度変調度を左右することが判明した。すなわち、ゲート間隔が狭くなるにつれ、変調度(on/off比)を大きくできるが、逆に発光しきい値電圧が上昇する現象がみられた。また、ゲート電極スリット間隔の最適値が10〜18μmにあることを見いだし、同時に、Alq_3およびa-NPDの膜厚と蒸着速度を最適化した。その結果、大きな変調度(on/off比100程度)を有し、動画表示に必要な60Hz以上の動作速度を持つOLET素子を実現することができた。 今後、プラスチック基板上にOLET素子を作製し、フレキシブルシートディスプレイの実証とサイリスタ構造を有するスイッチング機能について研究を進めて行く予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中, 家地, 飯塚, 中村, 工藤: "ペンタセン薄膜を用いた有機LED駆動用トランジスタの作製"電子情報通信学会論文誌. J85-C・12. 1057-1063 (2002)
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[Publications] 大河原, 飯塚, 酒井, 中村, 工藤: "縦型有機デバイス用ZnO透明電極の検討"電気学会電子材料研究会資料. EFM-03-5. 21-26 (2003)
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[Publications] 田中, 家地, 飯塚, 中村, 工藤: "ペンタセン薄膜を用いた縦型・横型有機トランジスタ"電気学会、電子・情報・システム部門大会講演論文集. 11-16 (2002)
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[Publications] 田中, 飯塚, 酒井, 中村, 工藤: "有機発光トランジスタ特性のゲート電極形状依存性"第63回応用物理学会学術講演会予稿集. 1161 (2002)
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[Publications] Kudo, Tanaka, Iizuka, Nakamura: "Fabrication and Device Characterization of OLET"Proc. ICNME2002. 199-200 (2002)
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[Publications] 田中, 飯塚, 酒井, 中村, 工藤: "有機発光トランジスタ特性のゲート電極形状依存性(II)"第50回応用物理学関係連合講演会. 1406 (2003)