2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14390016
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 直之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (30292858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
姜 雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (00334269)
佐藤 健二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50162425)
尾関 幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10361552)
高野 彰 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (50337474)
|
Keywords | 亀井茲明 / 亀井コレクション / 亀井文庫 / 写真史 / 華族史 / 日清戦争 / 染織史 / 明治期留学史 |
Research Abstract |
旧津和野藩亀井家伝来の茲明コレクションの全貌を把握し、総合的に分析することが本研究の目標である。今年度は、昨年度に引き続き、悉皆調査を進めるとともに、コレクションの多面的な性格に応じた複数の観点からの分析と評価を試みた。 津和野温故館での資料調査を2回(7月26〜28日、12月21〜23日)、東京大学総合図書館での資料調査を1回(3月15日)実施し、研究会を4回(6月28日、9月5日、11月29日、2月21日)開催した。1回目の現地調査では、昨年度から続けてきた文書・写真関係の大半の資料をデジタル写真に撮影し、その後の作業で情報化した。また、2回目の現地調査では、茲明が日清戦争従軍時に使用した写真機材とこれまで未着手だった染織関係資料の調査を実施、膨大な量から成る後者に関してもおおよその全体像を把握することができた。東大図書館での亀井文庫の調査は、昨年度にデジタル化した目録を活用し、とくにビジュアル情報の多い図書の現物を確認する作業に着手したところである。 研究会での研究分担者および協力者による発表は、以下のとおりである。岡田義治「松ヶ崎萬長の足跡」、富岡幾朗「亀井茲明コレクションの再評価」、尾関幸「亀井茲明のベルリンでの足跡」、高野彰「亀井茲明の旧蔵書」、齋藤洋一「亀井茲明と徳川昭武」、蔦谷典子「亀井茲明と写真〜日清戦争従軍まで」。とくに、尾関はドイツで資料調査を実施し、これまで不明な点の多かった茲明のドイツ留学期の足跡を明らかにして、本研究に大きな成果をもたらした。また、岡田、富岡両氏は隣接する領域で、それぞれ亀井茲明研究の実績がある外部の研究者で、これらの発表を通して、茲明と義父茲監、実兄松ヶ崎萬長との関係の重要性を明らかにすることができた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 木下直之: "日露戦争が語るもの"日露戦争スタディーズ. 22-35 (2004)
-
[Publications] 木下直之: "浅草と上野、あるいは見世物と博覧会について"大見世物. 104-110 (2003)
-
[Publications] 佐藤健二: "「質的データ」論の位相"社会学史研究. 25. 3-18 (2003)
-
[Publications] 姜雄: "東大初期洋書工学教科書の研究"東大初期洋書教科書の研究(仮). (印刷中). (2004)
-
[Publications] 月村辰雄: "ルネサンス期人文主義者のディアレクティック"古典学の再構築研究成果報告集. 8. 8-14 (2003)
-
[Publications] 尾関幸: "ナザレ派と美術アカデミー"国立西洋美術館紀要. 8(印刷中). (2004)
-
[Publications] 木下直之ほか編: "見世物はおもしろい"平凡社. 149 (2003)