2004 Fiscal Year Annual Research Report
PEPC特異的リン酸化酵素のC4光合成における生理的意義と活性調節の分子機構
Project/Area Number |
14390030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 桂 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (20025414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 強 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (30313208)
久掘 徹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40181094)
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Keywords | ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC) / PEPCプロテインキナーゼ / レドックス調節 / ジスルフィド結合 / 一過的発現系 / ユビキチン / プロテアソーム系 / ユビキチン化 / タンパク質分解調節 |
Research Abstract |
ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)はC4光合成において、初期炭酸固定をおこなう重要な酵素である。この酵素の活性は可逆的なリン酸化による調節を受け、昼間にはリン酸化されて活性化される。リン酸化はPEPCに特異的なプロテインキナーゼ(PEPCk)によっておこなわれる。本年度の主な成果を以下の通りである。 1)PEPCkのレドックスによる活性調節:以前にFlaveria trinervia(モデルC4植物)のcDNAから調製した組換え体酵素にっいて、チオレドキシンを介するレドックス活性調節の可能性を示してきた。昨年度までの部位特異的変異の導入実験によって、6つのCys残基のなかでCys53とCys250の間でのS-S結合の形成が示唆されてきたが、さらにその後に得られた結果は複雑であったため、今年度は多くの変異導み酵素を作製してレドックス感受性を調べるとともに、S-S結合に関与するCys残基の同定をLC/MSを用いて試みた。その結果、上記の2つのCysの間のみならず、Cys26またはCys37とCys250の間でもS-S結合の生じうることが明らかとなった。これはプロテインキナーゼの触媒ドメインにおけ大きなコンホメーション変化を初めて示唆したものである。 2)PEPC-kのユビキチン/プロテアソーム系による分解制御の発見:PEPCkは非常にターンオーバーの早い酵素であることが示唆されてきたが、これまでその分解過程の解析は、発現量が少ないため、タンパクレベルでの解析ができなかった。今回、トウモロコシの葉肉細胞のプロトプラストを用いる一過的発現系をもちいて、フラッグタグつきのPEPCkを抗体によって検出できる系を確立した。この系を用いて、PEPC-kがユビキチン化を受けることをはじめて証明した。そして、これまで未知であった37kDのPEPC-kの由来を明らかにした。
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Research Products
(3 results)