2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹細胞の肝細胞への効率的分化誘導-細胞移植治療にむけて-
Project/Area Number |
14390047
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Research Institution | NARA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (50230701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 重昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90159715)
福井 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80145838)
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Keywords | ES細胞 / 四塩化炭素肝障害 / 経脾的肝移植 / 肝細胞分化 |
Research Abstract |
マウスES細胞が肝細胞にin vitroで分化し得ること、またある種の肝細胞分化関連遺伝子導入ES細胞ではその効率がよいことが判明した。本年度は、ES細胞の細胞移植療法の次ステップとして、肝障害マウスへの経脾的移植を試みた。すなわち、四塩化炭素肝障害マウスにES細胞を脾臓内に移植し、肝臓におけるES細胞の分化について検討した。ES細胞は129SVJ系マウス由来GFP標識細胞を用いた。マウスは6週齢C57BL/6雌マウスを用い、肝障害は四塩化炭素(0.5ml/Kg週2回腹腔内投与,CCl4処置群)にて誘導し、細胞移植後も継続した。移植細胞には未分化ES細胞あるいはhanging drop法にて作成した6日目胚様体(EB)を使用した。未分化ES細胞あるいはEBをCCl4処置群および非CCl4処置群の脾臓内に移植し、移植後10日,20日,30日目に肝を採取し組織学的に検討したところ、移植後10日目および20日目のCCl4処置群では、未分化ESおよびEBのいずれの移植マウスにおいても、門脈域を中心として肝構築に参画するGFP陽性細胞を認め、これらGFP陽性細胞は、Albumin, CK18,HNF4alpha陽性であった。一方、非CCl4処置群の肝にはGFP陽性細胞は認めなかった。観察期間中、未分化ES細胞投与マウスを含めて全移植マウス(30匹)において肝に腫瘍形成は認めなかった。以上の成績は、肝障害を有するマウスへのES細胞の経脾的肝移植において、移植細胞の肝細胞様細胞への分化が確認され、ES細胞の細胞移植療法の有用性を示唆するものと考えられた。
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Research Products
(7 results)