2003 Fiscal Year Annual Research Report
水ストレス下の水稲生育の分光スペクトル観測室内制御実験と穀物生産指標の開発-中国・インドの水稲収量の衛星監視法に関する技術開発-
Project/Area Number |
14390055
|
Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
金子 大二郎 松江工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (20177520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 隆 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助手 (00110289)
大西 政夫 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80185339)
建石 隆太郎 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (90114545)
|
Keywords | 穀物生産 / モニタリング / 早期予測 / 光合成型穀物生産指標 / リモートセンシング / 植生指標 / 水稲 / 中国・インド |
Research Abstract |
1.制御温室TGCによる水稲の水ストレス分光測定実験 初年度に島根大学生物資源教育研究センター内に建設した温度傾斜型制御温室TGCを使用して葉のスペクトル観測用の水稲を育成した.生育した水稲の灌漑水を抑制することによって人為的に水ストレスを与えた.蒸散の減少による葉温の上昇を観測すると共に,葉の持つ可視・短波長赤外光について反射率スペクトル値が上昇する量を計測した.分光反射率はASD社製のField Spec FRの分光放射計を使用し,測定範囲は350μm〜2500μmである.この観測時間内の薄雲の通過によって短波長赤外帯の反射率値が大きく変動する.しかし,近赤外の波長帯は水の吸収帯では無いため,近赤外の反射率は測定時間内に同一とみなすことができる.波長0.725μmから1.100μmの反射率の平均値で各反射率値を割った反射率比によって反射率スペクトルを標準化し,薄雲の影響を除いた.水ストレスが作用することによって水扮が減少するに伴い反射率が上昇する関係が得られた. 2.光合成型穀物生産指標のモデリング 従来からの有効積算気温や植生現存量ばかりでなく,世界気象データと衛星による植生指標を用い,日射・有効気温・植生現存量・気孔開度を考慮した光合成型の穀物生産指標をモデル化することによって,水資源不足時代における穀物生産量を早期に監視する方法を提案した.小麦・米・トウモロコシ等の穀物生産量の中で水稲を最も重視した.水稲は食糧問題の中で単位面積当たりの収穫量が小麦より高いことから人口扶養力が大きく,また,水資源を最も多く必要とし,水配分の視点から重要な作物となっているからである.この穀物生産指標を土木学会環境システム論文集に発表した.また,低温不稔・高温障害を表す温度障害項とによって穀物生産指標のモデリングを進め,システム農学会2003年度春季研究発表会や水文・水資源学会2003年研究発表会,更に第216回日本作物学会講演会で発表した.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kaneko, D.: "Crop production monitoring by a photosynthesis-based index using meteorological data and NDVI"Proceedings of The CEReS International Symposium on Remote Sensing, -Monitoring of Environmental Change in Asia-. 29-36 (2003)
-
[Publications] 金子大二郎, 大西政夫: "水資源制約時代における中国・インドの穀物生産量モニタリング法の提案"土木学会,環境システム論文集. 31. 235-244 (2003)
-
[Publications] 金子大二郎・大西政夫: "植生指標NDVIと気象データによる穀物の作況監視指標のモデリング-中国・インドの穀物生産量モニタリング-"日本作物学会記事,第216回日本作物学会講演会要旨・資料集. 第72巻, 別号2. 92-93 (2003)
-
[Publications] 金子大二郎: "水資源制約時代における光合成型穀物生産指標と低温不稔・高温障害に関するモデル化"水文・水資源学会2003年研究発表会要旨集. 82-83 (2003)
-
[Publications] 金子大二郎: "衛星データと世界気象データによる光合成型穀物生産指標のモデリング,-中国・インドの穀物生産量のモニタリング-"システム農学会2003年度春奉シンポジウム・一般研究発表会要旨集. 71-72 (2003)