2002 Fiscal Year Annual Research Report
最終氷期以降の南極氷床融解期の高精度決定とその地球環境変動への評価に関する研究
Project/Area Number |
14390056
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
三浦 英樹 国立極地研究所, 研究系, 助手 (10271496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師
五十嵐 厚夫 東京大学, 海洋研究所, 海洋科学特定共同研究員
大河内 直彦 固体地球統合フロンティア研究システム, 地球システム変動領域, 研究員 (00281832)
森脇 喜一 国立極地研究所, 研究系, 教授 (50033501)
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Keywords | 南極海海底堆積物コア / 海洋プランクトン / 脂肪酸 / 放射性14C年代 / 水素同位体比 / 珪藻化石 / 有孔虫化石 / 宇宙線生成核種 |
Research Abstract |
本年度は,石油公団によって南極大陸周辺からピストンコアおよびグラビティコアで採取した海底堆積物コアの中から,研究対象となる最終氷期まで達したコアの地域と時代を整理し,特に西南極氷床の最終氷期以降の時代をカバーするコアを選別する作業を開始した。選ばれたコアの分析としては,色,堆積構造,テフラを含む一次鉱物,粘土鉱物,粒度組成のような一般的記載とともに,岩屑が氷河性のものであるか氷山に運ばれてきたものかを,岩屑の特徴から,粒度分析の結果とあわせて吟味し,あとで行う融氷を示す地球化学的な分析結果と対照できるようにした。また,陸源性岩屑に含まれる宇宙線照射生成核種を測定するためにアメリカのローレンスリバモア国立研究所で宇宙線照射年代測定を一部行った。一般的記載のあと,代表的な層準から海洋プランクトン起源の脂肪酸の抽出を一部行った。今後、抽出した脂肪酸は,国立極地研究所所有の14Cガス生成装置を用いてグラファイト化し,加速器質量分析計を使用して放射性炭素年代測定および融氷の指標となる脂肪酸の水素同位体比測定を行う予定である。また、これら正確な年代と融氷の指標を柱状図に入れて,正確な南極氷床の融氷期を明らかにするとともに,有孔虫と珪藻の群集組成の解析と酸素同位体比の分析も行い,融氷と海洋環境の変動との関連性も明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohkouchi, N., Eglinton, T.I., Keigwin, L.D., Hayes, J.M.: "Spatial and temporal offsets between proxy records in a sediment drift"Science. 298. 1224-1227 (2002)
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[Publications] Pagani, M., Freeman, K., Ohkouchi, N., Caldeira, K.: "Comparison of water column [CO2aq] with sedimentary alkenone-based estimates : A test of the alkenone-CO2 proxy"Paleoceanography. 17. 1069,doi:10.1029/2002PA000756 (2002)
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[Publications] Ohkouchi, N., Eglinton, T.I., Hayes, J.M.: "Radiocarbon dating of individual fatty acids as a tool for refining Antarctic margin"Radiocarbon. (印刷中). (2003)
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[Publications] Miura, H., Maemoku, H., Moriwaki, K.: "Holocene raised beach stratigraphy and sea-level history at Kizahashi Beach, Skarvsnes, Lutzow-Holm Bay Antarctica"Royal Society of New Zealand Bulletin. 35. 391-396 (2002)
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[Publications] Lambeck, K., Purcell, A., Johnston, P., Yokoyama, Y.: "Water-load definition in the glacio-hydro-isostatic sea-level equation"Quaternary Science Reviews. 22. 309-318 (2003)
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[Publications] 横山祐典: "最終氷期のグローバルな氷床量変動と人類の移動"地学雑誌. 111. 883-899 (2002)