2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14390061
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
飯田 秀博 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 部長 (30322720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 浩司 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 室長 (40280820)
林 拓也 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 室長 (50372115)
千田 道雄 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 部長 (00216558)
谷口 高士 大阪学院大学, 情報学部, 助教授 (20249395)
大森 美香 京都教育大学, 教育学部, 講師 (50312806)
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Keywords | 音楽創作活動 / 脳機能画像診断 / PET / FMRI / リズム認知 |
Research Abstract |
高いレベルの音楽的な音列(フレーズ)に対する知覚認知時の脳内血流分布の変化を観察できるような刺激システムを開発し、これを用いた時の健常者の「音楽」に対するリズム、ピッチ、音色の処理に機能分布を比較した。高磁場中で良好な音質で音楽フレーズを提示できる新しい刺激システムを開発し、このシステムを使って音楽フレーズを拝聴した時のリズム、音色、音強、ピッチの4つの認知に関する機能局在をfMRIを使って計測した。音楽家、非音楽家合わせて計17名を対象にfMRI検査を実施した。統計解析の結果、安静時に対する課題実行時において、音楽家および非音楽家の両郡間で異なる賦活領域を確認した。リズム刺激に対して、両郡で左半球上側頭回上部に共通の賦活を認め、これは内的時間処理の局在領域と考えられた。また同リズム刺激においては、音楽家群では前頭前野の言語領域において有意な賦活を認めた。音程刺激に対しては、音楽家群では頭頂連合野領域に有意な賦活を認め、これは全ての音楽家被験者が課題達成のために音符を思いうかべて処理をおこなっていたことを反映するものと推測された。一方、非音楽家群では同音程課題において前頭葉領域の賦活を認め、音符を思い浮かべるすべを持たずに処理していた事実と矛盾はない。音色課題では両群ともに大脳辺縁系に賦活を認めた。また、音楽家群では右半球における左運動野領域および視覚野領域において有意な灰白室領域の肥大を認めた。このようにMRI装置内で音楽認知時の高次脳機能の観察は可能であり、音楽の構成要素のうちリズム、ピッチ、音色に関する機能領域を特定できると考えられた。音楽家と非音楽家とではその分布の大きな違いが認められ、教育あるいは訓練によって認知ネットワークが変化することを、fMRIの手法で観察できることが確認できた。 頭部の動きをリアルタイムでモニターし、PET検査中の頭部の動きを補正するシステムの開発に成功し、実際にピアノ演奏中のPET画像撮像を行った。新しい統計学的解析手法として、ブートストラップに基づく処理を行い、一回の検査データから統計学的に有意な賦活部位を特定する解析プログラムの構築に成功した。このような新しい解析および撮像システムを用いて、音楽のような高次の脳内処理機構と、その訓練により新しいネットワーク構築が観察できる手法が構築できたと考えられる。
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