2004 Fiscal Year Annual Research Report
マヤ・イメージの形成と消費に関する人類学および歴史学的研究
Project/Area Number |
14401009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 栄人 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10240285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 三枝子 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90235226)
初谷 譲次 天理大学, 国際文化学部, 教授 (10180895)
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 助教授 (40282438)
|
Keywords | マヤ / 伝統医療 / ジェンダー / 観光 / エスノヒストリー / エスニシティ / エンパワメント / カルチュラル・スタディーズ |
Research Abstract |
各研究分担者は以下のテーマに関して個々に調査研究を行なった。また、その研究の成果を日本ラテンアメリカ学会研究大会(同志社大学)における分科会「マヤ・イメージの形成と消費」、および第6回国際マヤ会議(メキシコ・タバスコ市)におけるシンポジウムCreacion y consumo de imagenes etnicas de los mayas.(マヤの民族イメージの形成と消費)において報告し、他のマヤ研究者との意見交換を行なった。 1.吉田は、伝統医療という医療実践を通じてマヤという伝統文化がいかに形成されているか、特にプライマリーヘルスケア政策の下で伝統医療が他者によって医療資源としてどのように利用されてきたのかについて検討した。 2.桜井は、昨年度までの調査で蒐集したイメージ資料(古写真や映像資料)を分析するとともに、マヤ先住民社会が自らのイメ-ジをいかに主体的に描き始めているかについて、グアテマラ・マヤの人々の文化復興運動や権利回復運動、女性の活動などを事例として考察した。 3.初谷は、反乱するマヤ民族というイメージの形成過程に関して調査研究を行なった。特に、カネクの反乱を中心としたマヤ・イメージめ再記憶化に関して検討した。 4.鈴木は、メキシコ、ユカタン州においてマヤ民族自身が手がける文化振興活動の追跡調査を行なった。特にそうした活動を通じて形成されるマヤ・イメージが他者によって消費される際に活動自体がどのような影響をうけているかの聞き取り調査を行なった。 5.海外共同研究員の大越は、前年度のランダの著書の研究を継続する一方で、16世紀後半に作成されたマヤ語テキスト『カルキニ文書』の歴史的意味を、別の『マニ年代記』を軸にして、植民地時代が終了する19世紀までの各世紀ごとに分析した。 6.メキシコ、キンタナ・ロー州北部海岸地域における観光の現状を把握し、そこでの遺跡の観光利用の実態と、その中で生産・消費されるマヤ・イメージのあり方について研究協力者の杓谷茂樹が検討した。
|
Research Products
(5 results)