2004 Fiscal Year Annual Research Report
レバノン・ティール遺跡での縦穴墓・地下墓の発掘調査
Project/Area Number |
14401029
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 拓良 京都大学, 文学研究科, 教授 (30108964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 要一 奈良大学, 文学部, 教授 (00090936)
池田 碩 奈良大学, 文学部, 教授 (30098561)
宮坂 朋 弘前大学, 人文学部, 助教授 (80271790)
西本 真一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (10198517)
辻村 純代 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 共同研究員
|
Keywords | GIS考古学 / ArcGIS / 保存環境測定 / フェニキア考古学 / タニット / 墓制 / 地下墓 / ティール遺跡 |
Research Abstract |
昨年、一昨年に引き続きレバノン共和国ティール市郊外にあるブルジュ・シャマリ町ラマリ地区200番地と199番地での調査研究を実施した。現地では地形測量、壁画地下墓TJ04の保存環境調査と美術史的調査、出土遺物の実測を行った。また、フェニキア女神タニットの記号が付いた分銅の研究を進めた。 1.3次元地形測量、地形図・遺構分布図の作成 (1)トータルステイションのデータを、Excelを介してArcGISに転送するソフトを作成し、測量データを、ArcGISを用いて半自動的に多様に表現することが出来るようにした。 (2)上記のシステムを用いて地形実測を行い、石切場遺構について3次元表現を可能にした。 2.壁画のある地下墓TJ04の保存環境調査 (1)数日を選び、墓室内における、温湿度、光量、二酸化炭素の一日の変化を計測した。 (2)作業時間内の二酸化炭素量の変化を計測し、墓室内の人の環境影響を計測した。 3.出土遺物の調査 (1)出土したランプ、土器、テラコッタ像の実測、コインの実測、拓影とりをおこなった。 (2)タニット女神記号付き分銅については、表面に鋳出された「LBI」がフェニキア歴12年(紀元前115/4年)と解読でき、類例調査からタニット神の意味するところを明らかにできた。 4.地下墓と縦穴墓の地域的・系統的研究により、フェニキア伝統の地下墓が、納体室が槨となって棺を内に持つことを認め、パルミラ等のシリア内陸部との違いを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)