2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国における地域間・多国籍企業間の複合的競争に関する調査研究
Project/Area Number |
14402014
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
古澤 賢治 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (80181452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 捷生 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (50255634)
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Keywords | 多国籍企業 / IT企業 / 対中進出戦略 / グローバル競争 / 日系企業 / 韓国企業 / 産業集積 / 外資導入 |
Research Abstract |
研究実績の概要 本年度の調査研究では、外資誘致をめぐる地域間の競合関係と立地条件をめぐる多国籍企業関の競合関係とがどのようにかかわっているのかという研究課題と関連して、韓国と日本のIT企業のアジア戦略の最新動向を調べた。古澤と李は2003年8月3日から8月13日にかけて、韓国代表的なIT多国籍企業であるサムスン電子とLG電子、またはその傘下のIT関連企業(計17社)を視察しインタビューを行った。調査の目的は韓国IT多国籍企業の対中国進出戦略の変容のあり方を明らかにし、その経営システムの強さと問題点を把握することにあった。近年韓国企業の対中戦略では、「地域別分散化戦略」(リスクを低減するために進出拠点の分散化をはかる)から「属地的集中化戦略」(規模の経済性を追求するために生産拠点の集中化をはかる)へと変わり、または粗放的経営拡張戦略から差別化戦略(ブランド品への取り込みや製品個性化の追求)へと転換し、生産と開発との分離を強調する戦略から現地における「開発・生産・販売の統合化」を目指す戦略へと変化したなどが現地調査の焦点であった。 李は03年3月19日から3月30日にかけて北京・天津地域における代表的な日系IT企業と現地系IT企業(計9杜)の実態調査を行い、近年、IT多国籍企業の経営システムの変化のあり方を地域の産業集積の変化のあり方と関連しつつ調べた。中国域内におけるグロバル競争が激化している中で、日系企業では「開発・生産・販売の統合化」が図られ、生産システムと人事・労働システムの柔軟化が行われている。これらの点を明らかにすることは実態調査のポイントである。 古澤は10月11日から17日まで遼寧大学日本研究所主催の国際会議に参加するとともに、瀋陽と大連の重機械工業やセメント工場とを中心とした企業調査を行った。調査の焦点は、東北地域の重工業の現状を検討し、技術の連続性を考えることにあった。基本的に東北地域では大連をのぞいて外資の導入に成功したとは言えない。巨大な重工業は海外市場への依存よりも、国内景気の良さで発展していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)