2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国における地域間・多国籍企業間の複合的競争に関する調査研究
Project/Area Number |
14402014
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
古澤 賢治 愛知大学, 現代中国学部, 教授 (80181452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 捷生 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (50255634)
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Keywords | 長江デルタ / 上海 / 天津 / 地域開発 / 開発区 / 外資導入 / 日系企業 / 韓国企業 |
Research Abstract |
1、本年度の研究実績は、長江デルタの上海周辺地域の開発区や日系企業と韓国企業を訪問し、天津で天津開発区と米国企業を尋ね、地域開発の動向と企業間の競合関係について調査した。加えて3月半ばから末にかけては、寧波、無錫、蘇州、上海、北京などで開発区と企業調査を行った。2、開発区の調査に関して、蘇州市では地方政府が外資導入のあり方を「多業種・全面的誘致」から「選択・集中的誘致」へと転換した。例えば、労働集約的業種(繊維・雑貨)を制限し、技術集約的業種(IT等)や技能集約的業種(自動車部品等)を奨励する政策はそれであった。その転換を支える主な措置は域内最低賃金の切り上げ、人材教育施設と生活施設の整備・拡充への取り込みであった。それを通じて技術集約的業種の存立に不可欠な人材の誘致・確保が図られている。同じような動向は天津にも見られた。かくて地域開発の重点はインフラ建設中心から人材誘致・確保中心へと転換していることが興味深い動向であった。3、企業調査に関しては、第一にIT関連企業としては日系企業で、エプソン蘇州とキャノン蘇州等を、韓国企業ではIT製品のOEM生産を行っている企業を、米国企業では天津モトローラーの生産現場を見学することが出来た。第二に雑貨関連の生産では、衣料品のデザインと販売、電子秤の生産、販売、プラスチックポンプキャップの生産、販売をしている、いずれも韓国の企業を訪問することができた。これらの調査を通じて日系企業と韓国企業と米国企業がそれぞれ競争優位の源泉をどこに求めているかをある程度把握できた。例えば、人材管理の面では、日本企業が内部育成を中心とするが、韓国企業と米国企業では外部労働市場からの人材誘致を重点としている。その他に立地戦略、部品調達、生産管理と販売などの面においても大きな相違点が存在した。これらの研究結果は2005年度に印刷物の形でまとめることとする。
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Research Products
(1 results)