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2004 Fiscal Year Annual Research Report

欧州諸国における知的障害者向けグループホームの居住水準評価に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 14402025
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

鈴木 義弘  大分大学, 工学部, 助教授 (30244156)

Keywords障害者 / 知的障害 / グループホーム / 北欧 / 住居水準 / 福祉環境 / コミュニティケア
Research Abstract

過去2カ年の調査で,欧州6カ国において25自治体48ホーム(65ユニット)の知的障害者グループ・ハウジング(入居者398人)のデータを採取じた。本年度は,この中から,入居者の生活状況とケアスタッフの支援を詳細に把握することを,目的に,施設解体がほぼ完了し地域生活へ移行している国スウェーデン,施設規模縮小国デンマーク,介護保険制度下で入所施設の存続する国オランダの3カ国の7ホームに再訪問し,入居者それぞれの一日の生活時間と日中活動の内容,住居の使われ方や知人の訪問頻度などについてインタビュー調査を実施した。
これまでの研究で明らかにした住戸の平面構成や面積水準との相関を交えて考察を行っているが,「住戸型」に移行しているスウェーデンとデンマークにおいては,わが国の擬似家族的な生活とは異なり,各自の基本的な生活が多様に「住戸」で展開されている。例えば,わが国に比べてはるかに簡易な食事(パンとコーヒー)であるとはいえ,朝食は準備を含めて自室で行っており,また,同じくもっぱら自室で行われている趣味活動も実に多様であるが,これに応じた設えが整えられている。コモンでは,入居者が気の向いた場合の交流の場として,主に日中活動からの帰宅後や食後のコーヒーを飲みながらの歓談に用いられているほか,夕食をルームメイトやスタッフと共にする場合が一般的であったが,これを望まない入居者は,自室での選択も自由である。従って,「住戸」はひとり用の一般住宅同様の面積及び設備をもち,これに、障害を持つが故に必要なケアと共同居住のためのコモンが付加された住居水準が確保されているといえる。また,これらの住居のストックが充実されることにより,入居者の希望に応じた転居も実現している。
一方,基本的には「居室型」にとどまるオランダでも,住居水準の向上と地域生活への移行を急速に進める過程にあり,旧来の大規模施設法人が,その広大な入所施設敷地内に一般の住宅を建設して入居者を募る計画や,入所施設否定の立場で支援体制を進めてきた組織との共同化などが実現するなど,制度の近似したわが国にも参考となるトレンドを確認することができた。

  • Research Products

    (10 results)

All 2005 2004 2003

All Journal Article (10 results)

  • [Journal Article] 北欧諸国におけるグループ・ハウジングの入居者の生活について 知的障害者グループホームの住居水準適正化にむけた事例研究 第4報2005

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘
    • Journal Title

      日本建築学会研究報告 九州支部 第44号・3

      Pages: 145-148

  • [Journal Article] ヨーロッパ諸国におけるグループ・ハウジングを支える地域社会環境について 知的障害者グループホームの住居水準適正化にむけた事例研究 第5報2005

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘
    • Journal Title

      日本建築学会研究報告 九州支部 第44号・3

      Pages: 149-152

  • [Journal Article] ドイツ・オランダにおけるグループ・ハウジングの事例 知的障害者グループホームの住居水準適正化にむけた事例研究 第3報2004

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘
    • Journal Title

      日本建築学会研究報告 九州支部 第43号・3

      Pages: 145-148

  • [Journal Article] ノルウェーにおけるグループ・ハウジングと北欧諸国との比較考察 北欧諸国における知的障害者グループ・ハウジングの研究:第4報2004

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 E-2

      Pages: 251-252

  • [Journal Article] 介護保険制度下での知的障害者の地域生活支援の状況 -オランダとドイツにおける知的障害者グループ・ハウジングの実例と動向について2004

    • Author(s)
      鈴木義弘, 川島実季
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 E-2

      Pages: 253-254

  • [Journal Article] グルーブホームの概念規定と国内事例について 知的障害者グループホームの住居水準適正化にむけた事例研究 第1報2003

    • Author(s)
      鈴木義弘, 中武啓至, 川島実季
    • Journal Title

      日本建築学会研究報告 九州支部 第42号・3

      Pages: 133-136

  • [Journal Article] 欧州におけるグループホームの事例 知的障害者グループホームの住居水準適正化にむけた事例研究 第2報2003

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘, 中武啓至, 黄 峻, 蔭岡俊宏, 禹正錫
    • Journal Title

      日本建築学会研究報告 九州支部 第42号・3

      Pages: 137-140

  • [Journal Article] 住居の空間類型とその特徴について 北欧3ヶ国における知的障害者グループ・ハウジングの研究:第1報2003

    • Author(s)
      蔭岡俊宏, 鈴木義弘, 本間敏行, 川島実季
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 E-2

      Pages: 197-198

  • [Journal Article] 住居規模と面積水準について 北欧3ヶ国における知的障害者グループ・ハウジングの研究:第2報2003

    • Author(s)
      鈴木義弘, 本間敏行, 川島実季
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 E-2

      Pages: 199-200

  • [Journal Article] 入居者の生活環境及び生活行為に関する実態把握 北欧3ヶ国における知的障害者グループ・ハウジングの研究:第3報2003

    • Author(s)
      川島実季, 鈴木義弘, 本間敏行
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集 E-2

      Pages: 201-202

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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