2002 Fiscal Year Annual Research Report
市場経済下における共同型農業経営の新たな可能性-ドイツ・中国・日本-
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14402027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 信和 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80163632)
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Keywords | 共同農業経営 / 大規模農業経営 / 共同組合的組織原理 / 農業生産協同組合 / ドイツ / 中国 / 日本 / 国際比較 |
Research Abstract |
本年度は研究の第一年度であり、本研究全体の要の位置をしめるドイツにおける調査を実施した。平成14年5月11日から10月3日までのベルリンでの長期滞在期間を利用して、当初予定のうち、Mecklenburg-Vorpommern州Demmin市にある、以下の農業経営についての包括的な調査を行った。 株式会社 Landbau Demmin(約10000ha:傘下に6有限会社) 任意組合 Schnepper, Beerbaum, Schoknecht(約1000ha) 個人経営 E.Kuthe (284ha),オランダ人入植者G.Stegink (154ha),養鶏H.Sumi (29ha) 部分貸付経営K.Rieck (14ha),全面貸付H.Bohnet (20ha) 教会付属農場 Kirchengut (Kirchengemeinde Demmin308ha) このうち、Landbau Demmminについては合計で5回の調査を実施し、転換後から2001年までの毎年の事業報告書をはじめ、作付け面積・収量、家畜頭数・搾乳実績、賃貸借関係などの経営実態に関わる膨大なデータを収集することができた。 また、個人経営にまで調査の範囲を広げたのは、一定の地域における農業の担い手全体についての知見が、大規模共同農業経営の存立意義を考える上では不可欠と判断したからである。さらに、Demmin市を含む3郡を管轄区域とする郡農民連盟に対しても、創立以来10年間の活動を調査し、必要な資料を収集することができた。これによって初めて、郡の単位で大規模経営の存立実態が明らかになるものと思われる。現在、これらの膨大な資料を一つ一つ解析する作業を始めたところである。 なお、共同研究者の協力を得て、東ドイツ・チェコ・ハンガリーの実態を紹介する研究図書を公表する予定である。
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