2002 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケア軽度要支援高齢者の日常生活行動の自立度向上に有効なケアプランの国際比較
Project/Area Number |
14402033
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
島内 節 東京医科歯科大学, 大学院・保険衛生学研究科, 教授 (70124401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助手 (40334445)
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
友安 直子 東京医科歯科大学, 大学院・保険衛生学研究科, 助教授 (30345277)
中谷 芳美 浜松医科大学, 医学部・保健学科, 講師 (90217753)
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Keywords | 要支援・要介護1 / 自立支援 / 到達目標 / 支援プロトコール / 効果測定 / 介入調査 / アウトカム改善率 / プログラム開発 |
Research Abstract |
I 在宅ケアにおける軽度要支援高齢者(要支援・要介護1)の日常生活行動の自立度の向上をはかるために、ケアプラン作成に役立つ、自立支援プログラムを開発した。(1)平成13年10月-12月に全国5地域において介護保険制度により要介護として認定され、サービスを受けていた606人を対象にアウトカム調査を行った。そのうち、介護支援専門員が作成した要支援72例・要介護1の83例、計155例についての居宅サービス計画書を分析した。(2)34の支援項目を抽出するとともに、これと対応する自立目標を設定し、ステップ1、ステツプ2、ステツプ3と目標にいたるまでの高齢者の段階的な状態を組み立てた。自立支援の具体的内容(支援項目と到達点)である。(3)各支援項目ごとに、ステップを進み、ゴールである自立状態に至るために、どのような技術的支援をしたら良いかを具体的に示したプロトコールを作成した。プロトコールは自立支援のゴールとポイント」「動作の自立にいたる過程」「パターン別の援助目標と具体的な自立支援の方法」から構成された。 II 自立支援プログラムの効果測定(1)平成14年10月-12月に東京都S区において、要支援者24人要介護1者30人 計54人を対象に、プログラムを用いたケア提供をおこなってもらう介入調査をおこないその効果を測定した。調査に先立ち、自立支援プログラムの使用方法について区主催の研修会を実施した。(2)利用者のアウトカム改善の割合が高かった項目は「掃除」「催し物に参加」「緊急時の連絡・退所方法を確保」等であった。悪化の割合が高かったのは「適度な運動「洗濯」「転倒予防」等であった。(3)ケア介入後、34項目のうち個々の状況により改善数は1-24項目とさまざまであったが、何らかの改善を見せた改善者は要支援群で79.2%、要介護1群は60%であった。(4)2か月間で通常の介護保険制度内のサービスでも多くの項目に改善がみられた。焦点を明確にし早期に適切な方法でケアをすれば改善率はさらに高まると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 島内 節, 友安直子, 森田久美子: "在宅の利用者アウトカムに影響するケア項目と実施度"日本地域看護学会誌. 4(1). 26-33 (2002)
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[Publications] 森田久美子, 島内 節, 友安直子: "訪問看護利用におけるアウトカム変化の検討"日本在宅ケア学会誌. 6(1). 43-50 (2002)
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[Publications] 島内 節, 友安直子, 森田久美子: "在宅ケア利用者に対するケアマネジメント業務の実施状態"第5回日本地域看護学会講演集. 131 (2002)
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[Publications] 島内 節, 友安直子, 森田久美子: "在宅ケア利用者のケアマネジメント業務実施認識率と満足度"第22回看護科学学会講演集. 232 (2002)
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[Publications] 友安直子, 島内 節, 森田久美子: "利用者アウトカム改善群・非改善群別にみた社会資源利用"第22回看護科学学会講演集. 124 (2002)
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[Publications] 森田久美子, 島内節, 友安直子: "在宅ケアにおけるアウトカムの改善項目が多い事例の特徴"第22回看護科学学会講演集. 236 (2002)
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[Publications] 島内節, 友安直子, 森田久美子: "アウトカム評価とケアの質改善の方法"医学書院. 157 (2002)