2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14402035
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
柳川 洋 埼玉県立大学, 学長 (30077169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 宜彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10143421)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296092)
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Keywords | 川崎病 / 日中比較研究 / 疫学調査 / 罹患率 / 年次推移 / 地域差 |
Research Abstract |
本年度は、過去3年間に中国の雲南省、四川省、重慶市、上海市において実施した川崎病の疫学調査成績のほかに、われわれが中国において過去に実施した他の地域(江蘇省、陜西省、北京市、広東省、黒竜江省、遼寧省)の疫学調査成績の総括を行い、地域間の相違点と類似点を明らかにした。 疫学像の特徴としては、罹患率の地域差は大きく、経済発達の進んだ地域で高い傾向が見られた。罹患率は、年次とともに増加する傾向が見られ、とくに上海と北京では5年間に倍増した。最も罹患率の低い地域の値は日本における罹患率の1969年に相当し、最も高い地域の値は1976年の値に相当する。患者数の性比は1.7-2.2の範囲にあり、日本の1.3に比べて高い。男児に対する注意の程度が女児に比べて高いという文化的な背景も考慮する必要がある。罹患率の増加要因としては、真の増加の外に、小児科医の川崎病に対する認識の変化も関わっていると考えられた。患者の大部分は、都会に住所を有する者であった。その原因として、保険の普及の差、経済水準の差、医療機関及び小児科専門医の配置における地域差なども考えなければならない。季節差は日本に比べて不明確であったが、一般的に秋から冬にかけて減少していたが、雲南省では冬のみ減少していた。その要因の1つとして、気象条件が考えられた。 最終年度には北京市において、日中の研究協力者によるワークショップを開催し、川崎病の疫学、臨床に関する総括を行った。
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