2003 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンを事例とした発展途上国の開発と防災戦略・戦術
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14402045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河田 惠昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寛 アジア経済研究所, 海外研究員
柄谷 友香 京都大学, 工学研究科, 助手 (80335223)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
渡辺 正幸 国際協力事業団, 国際協力総合研究所, 国際協力専門員
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Keywords | 防災力 / 洪水災害 / 地震災害 / フィリッピン / ワークショップ |
Research Abstract |
洪水災害と地震災害の両者を対象とした防災計画、開発計画を進めなければならないフィリッピン・マルキナ市を取り上げて現地調査を実施し、その結果を考察した。その成果は、以下のようである。大都市地震災害や洪水災害を想定して、行政および住民を対象とした市民参画型のワークショップを運営するための基礎的技術を開発した。まず、既存の市民参加型ワークショップ手法の体系化を図るとともに、ワークショップ参加者全員の意見を集約・統合化する電子支援システムを開発した。そして、神戸市の震災復興10年目の検証作業の一環として10回にわたり開催した市民ワークショップの場で同システムを用いて、その効果を実証した。多様な市民意見の整理・分類を市民参画により実現するシステムとして画期的なものとの評価を受けた。さらに、ワークショップ手法がどの程度、通文化的な効果をもつのかを確認するために、フィリピン・マリキナ市において防災意識・リスク認知と具体的な防災行動との関連性について実証調査研究を行い、災害理解のための認知図式の形成と、災害に対処する資源への接近可能性の感覚の有無がアクションの決め手となることを明らかにした。ついで、これらの要因が市民参画型ワークショップによりエンパワー(強化)されることを、実際のワークショップを実施することで実証した。これらによって、途上国の防災力向上のためには、住民と行政がワークショップを通して情報理解と情報共有することが必須であって、これによって継続的な取り組みが可能なことも明らかになった。来年度にこの手法を洪水災害に適用することができることも見いだされた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河田 惠昭: "世界の防災の動向"国際建設防災. 第12号. 1-7 (2003)
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[Publications] 河田 惠昭: "アスペリティに起因する南海地震津波の波源不均一性に関する研究"海岸工学論文集. 50. 306-310 (2003)
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[Publications] YOSHIAKI KAWATA: "Far-Field Tsunami Potential and a Real-Time Forecast System for the Pacific Using the Inversion Method"Natural Hazards. 29. 423-436 (2003)
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[Publications] Hayashi, Haruo: "Strengthening Economic Development Through Disaster Reduction Strategic Planning in the Asia-Pacific Region"Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume 1. 461-472 (2003)
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[Publications] Hayashi, Haruo: "Loading Experiments of Non-Engineered Houses in Marikina City, Philippines"Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume 1. 273-282 (2004)
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[Publications] Hayashi, Haruo: "Development of a Master Plan for Earthquake Disaster Reduction in the Asia-Pacific Region : Significance of the Marikina Case Study"Proceedings of Asian Conference on Earthquake Engineering, Manila, Philippines. Volume 1. 419-432 (2004)