2004 Fiscal Year Annual Research Report
GPSを用いたフィリピン海南東部のテクトニクスの研究
Project/Area Number |
14403003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 健 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40222301)
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 教授 (40207220)
中田 節也 東京大学, 地震研究所, 教授 (60128056)
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Keywords | GPS / 北マリアナ諸島 / 背弧 / 背弧拡大 / プレート運動 / フィリピン海プレート / アナタハン島 / 噴火 |
Research Abstract |
2004年5〜6月に調査を実施した。昨年度に引き続き北マリアナ諸島の北部を中心としたGPS観測及びアナタハン島のGPS観測ならびに火山活動調査を行うこととした。このため、観測隊を2班に分け、1班は船をチャーターして北マリアナ北部GPSを実施し、他班はアナタハン調査を行った。北マリアナ北部GPSでは東大加藤、高知大田部井及び渡部の3名が参加し、ウラカス、モーグ及びアスンシオンでそれぞれ2日間程度のGPS観測を行った。また、アナタハン調査は九州大学の松島及び杉本が参加した。観測は順調に行われた。 持ち帰ったデータを解析し、北マリアナ諸島全体の2004年までの変位速度ベクトルを算出した。解析にはGIPSY-OASYS IIソフトウェアを用い、フィリピン海プレートを固定するためにSella et a1.(2002)の速度場を用いた。この結果、北マリアナ諸島中央部及び南部では拡大速度が22mm/yrから46mm/yrと推定された。この結果はKato et al.(2003)の結果よりも6-10mm/yr程度遅い。また、北マリアナ諸島北部ではモーグで15mm/yr程度の拡大を示唆する結果となった。しかし、1年半程度の間隔の2回の観測からの結果であり、推定誤差は大きいと考えられる。今後より長期にわたる観測が必要である。 アナタハン島におけるGPS観測データについても引き続き解析を行った。解析結果に基づきアナタハン噴火の原因となるマグマ溜りが島の西方沖に存在する可能性を示唆するモデルを提唱した。この結果について、論文を国際誌に投稿し、採択された。また、アナタハン島の噴火に関する地質調査に関しても昨年度の成果に基づき論文を国際誌に投稿し、採択された。
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Research Products
(2 results)