2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジア大陸東部の大陸変形現象を古地磁気学よりさぐる
Project/Area Number |
14403010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乙藤 洋一郎 神戸大学, 理学部, 教授 (90160895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 和仁 神戸大学, 理学部, 助手 (20335417)
藤田 清士 神戸大学, 理学部, 助手 (00283862)
山口 覚 神戸大学, 理学部, 講師 (70191228)
糸田 千鶴 大阪短期大学, 経営情報学科, 助教授 (80246800)
井口 博夫 姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (40112073)
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Keywords | 古地磁気 / テクトニクス / 大陸 / 白亜紀 / 地質学 / 地球物理学 |
Research Abstract |
今年度は組織した地質調査・岩石採取隊を中国は東チベットに派遣した。 アジア大陸に連続体力学を適用して変形現象を論ずることが出来るように東アジアの広い地域から多くの観測地点をシステマティックに選定し,それらから古地磁気データをもとめる研究の一環として、東チベットで研究を行うことを今年度の研究目的とした。調査と岩石採取は次の四カ所でおこなった. 9月11日:亡康:ジュラ紀・白亜紀の地層調査 この地点では、マイアミ大学のグループにより古地磁気のための試料採取がすでに行われた跡だということがわかり,岩石試とる採取を断念した. 9月13日〜9月17日:八宿:後期ジュラ紀〜前期白亜紀の地層調査. 八宿西地区において13箇所で104個,東地区で8箇所64個の後期ジュラ紀〜前期白亜紀の岩石を採取し,広域の研究地域から大量の試料を採取した. 9月20日〜9月22日:昌都:ジュラ紀の地層調査 北西地域において中期ジュラ紀の地層調査を行った.南北に褶曲軸を持つ地層が分布している.褶曲軸の東西両翼の地層から22箇所で176個の岩石試料を採取した. 9月24日〜9月25日:察雅:ジュラ紀の地層調査 メコン川と察雅のあいだで中期ジュラ紀の地層の褶曲構造の調査をおこなった.地層の上下が逆転するような激しい地殻変動がおこった場所であることを明らかにした.南北に褶曲軸をもつ褶曲の東西両翼の地層から23箇所で中期ジュラ紀の岩石104個を採取した. 現在まで持ちかえることができた岩石試料については、残留磁化は神戸大学理学部の超伝導磁力で測定している.岩石磁気については、姫路工業大学環境人間学部で測定を開始した。 前年までに採取した岩石の残留磁化を測定し、アジア大陸のチュアンディアン地塊、日本列島の北上地塊のテクトニクスに関して議論を加え、論文を完成した。
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[Publications] Otofuji, Y., H., Takeirioto, H., Zaman, N.Nishimitsu, Y.Wada: "Cenozoic remagnetization of the Paleozoic rocks in the Kitakami massif of northeast Japan, and its tectonic implications"Earth Planet.Sci.Lett.. 210. 203-217 (2003)
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[Publications] Yoshioka, S., Y.Liu, K.Sato, H.Inokuchi, L.Su, H.Zaman, Y.Otofuji: "Paleomagnetic evidence for post-Cretaceous internal deformation of the Chuan Dian Fragment in the Yangtze block : a consequence of indentation of India and Asia"Tectonophys.. 376. 61-74 (2003)