2002 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア都市における仮設的空間の構成と「賑わいの場」の形成に関する比較研究
Project/Area Number |
14404010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 敦 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (70222148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 重幸 福岡大学, 工学部, 教授 (20153413)
趙 世晨 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (80304848)
南 博文 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20192362)
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Keywords | 東アジア / 活性化 / 賑わい / 屋台 / トランジットモール / 公共空間 / 中国 / 天津市 |
Research Abstract |
本研究は東アジアの都市における「賑わい」の場に着目し、特に空間的な特性として仮設性と柔軟性を取り上げ、一見無秩序に見える屋台や露店などで構成される空間における賑わい創出のメカニズムや、道路の占用等の関連する制度上の課題、およびその課題と社会的背景との関係を明らかとすることを目的として調査研究を行うものである。 本年度(初年度)は、中国・天津市における現地調査を実施し、天津市都心部において、近年注目されているトランジットモールにおける「賑わい」の場を対象に調査分析を行い、成果をまとめた。 天津市では近年、日本租界とフランス租界であった中心市街地の都市基盤を改善し、トランジットモールを整備し、都心部に歩行者優先道路として恒常的な賑わいの場を生み出している。トランジットモールの環境条件や交通量の特性、空間構成、モールのアクセス機能を支える補助的空間の構成などに関する分析を行い、下記に関する知見を得た。 (1)トランジットモールのアクセスを支える空間構成 モールへの人のアクセスの方法を明らかとするために、その周辺環境と利用の実態を地図上に整理し、周辺土地利用や道路構成との関係からモールへのアクセス利便性を確保する仕組みや空間構成を明らかとした。 (2)トランジットモールの管理運営に関する実態と課題 管理者(市役所)へのヒアリング調査を実施し、整備の経緯、社会的状況、関係する法制度等を調査し、トランジットモールの管理運営上の実態と課題を明らかとした。 (3)トランジットモールの人の交通量と滞留性や回遊性 歩行者の交通量調査により、モールの構成と来訪者の交通特性、滞留行動、回遊性との関係を明らかとし、賑わいを創出する場の空間構成と交通特性に関する考察を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 坂本夏絵, 趙 世晨: "天津旧租界の街路分布パターンに関する研究"日本建築学会学術講演梗概集(都市計画). 663-664 (2002)
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[Publications] 北村博昭, 松尾桂一郎, 小倉一平, 出口敦, 趙世晨, 黒瀬重幸: "歩行者優先モールの賑わいを支えるシステムに関する研究-天津旧租界・中心市街地トランジットモールにおけるケーススタディ-"日本建築学会九州支部研究報告. 第42号・3計画系. 349-352 (2003)
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[Publications] 坂本夏絵, 木庭隆博, 趙世晨, 黒瀬重幸, 出口敦: "天津市トランジットモールの街路環境に関する研究 その1"日本建築学会九州支部研究報告. 第42号・3計画系. 353-356 (2003)
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[Publications] 木庭隆博, 坂本夏絵, 趙世晨, 黒瀬重幸, 出口 敦: "天津市トランジットモールの街路環境に関する研究 その2"日本建築学会九州支部研究報告. 第42号・3計画系. 357-360 (2003)
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[Publications] 馬場健彦, 小倉一平, 南博文: "ハノイ旧市街に見る路上の活動-簡素な露店の持つ背景と機能-"アジア都市研究. Vo.4, No.1(3月発行予定). (2003)