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2004 Fiscal Year Annual Research Report

オーストラリアにおける隔離分布生物の起源と進化

Research Project

Project/Area Number 14405006
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

井鷺 裕司  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50325130)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 出口 博則  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117017)
Keywords系統地理 / 種分化 / 隔離分布 / Livistona / Amitermes / バンテン / 国際研究者交流
Research Abstract

オーストラリアが種分化の中心であるヤシ科ビロウ属植物について、本研究で採集した16分類群を対象に、系統解析を行った。昨年まで試みていた葉緑体DNAと核DNAの塩基配列による解析では一応の系統解析はできたものの、種間における遺伝的変異の少ないヤシ科においては、効率的に情報を得ることができなかった。そこで本年度は、ゲノム全体の差異を評価できるAFLP法によって分類群間の差異を解析した結果、高いブートストラップ確率で分枝を支持する系統樹を得ることができた。系統解析の結果、オーストラリアに生育するビロウ属植物は単系統であり、現存する分類群は、オーストラリアへの到来後、初期の段階で急速に種分化した結果生まれたものであることがわかった。ヤシ類の本来の生育地と考えられる、高温湿潤な多雨林から、山火事頻発地帯、岩山、砂漠、河川岸、オアシス等の多様な環境への適応は、急速な種分化と共にオーストラリア各地で並行的に複数回起こっており、また、その時期は、オーストラリアが乾燥化に向かいつつあった数百万年オーダーの間に起こったと考えられる。
また、今年度は、オーストラリアにおける隔離分布生物としてオーストラリア北東部に広く分布するシロアリAmitermis laurensisを取り上げ、ミトコンドリアDNA塩基配列に基づく系統地理学的解析を行った。本種の塚は、高さ30cm程度の円錐状のものから2mの板状の巨大なものまで、数タイプが認められている。これらの塚の著しい変異と種内系統関係、分布の関係を現地踏査と遺伝解析によって分析したところ、種内系統樹において、それぞれのタイプの塚を作るシロアリは単系統群を形成しなかった。また、現在の各生育地間の地理的な距離と遺伝的距離の関係を説明するためには、数万年前の氷河期における、現在とは異なった地形を想定する必要があることが明らかになった。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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