2003 Fiscal Year Annual Research Report
大陸東岸型気候区で耐候性を示すナス科景観植物の探索・評価及び分子系統学的研究
Project/Area Number |
14405023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30026588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 尚 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20282452)
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
渡辺 均 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助手 (80301092)
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Keywords | ナス科 / 遺伝資源評価 / 分子系統分類 / アルゼンチン |
Research Abstract |
本年度はアルゼンチン北西部のサルタ・フフイ・トゥクマン・カタマルカ・サンチャゴデルエステロ各州のジュンガと呼ばれる湿潤半常緑樹林帯、モンテ砂漠南部、チャコ・モンタナと呼ばれる半乾燥落葉樹林帯の自生地調査を行った。期間は平成15年11月8日から平成15年11月27日、現地での総走行距離は3408kmであった。モンテ砂漠地帯は例年よりも乾燥が激しく、採集できる植物が限られていたため、ジュンガとチャコ・モンタナを中心に調査した。採集したナス科植物は13属(Cestrum, Datura, Dunalia, Fabiana, Grabowskia, Iochroma, Lycium, Nicotiana, Nierembergia, Physalis, Salpichroa, Solanum, Vassobia)約30種109アクセションであった。さらに、ナス科に属するかどうか議論のあるSclerophylax属1種2アクセションも採集した。これらの内訳は標本111、種子56、生植物6、DNA62アクセションであった。 採集した生植物は現地共同研究者のもとで栽培・評価中である。昨年度生植物で採集した8アクセション中、活着したものはLeptoglossis linifoliaのみで、自家不和合性の多年草であることを確認した。 現地で採取した全DNAは、昨年度と同様に葉緑体DNAの遺伝子間スペーサー領域の塩基配列を決定し、昨年度までのデータと統合して分子系統を分析中である。LeptoglossisはNierembergiaと最も近縁であった。系統関係が不明確であったSclerophylaxはナス目には属するがSclerophylacaceaeとして独立させるべきであることが判明した。 また、本年度はアルゼンチンの共同研究者1名を招聘して千葉大学園芸学部で栽培中の植物の管理状態の確認と研究打ち合わせを行った。
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