2004 Fiscal Year Annual Research Report
大陸東岸型気候区で耐候性を示すナス科景観植物の探索・評価及び分子系統学的研究
Project/Area Number |
14405023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30026588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)
國分 尚 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20282452)
渡辺 均 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助手 (80301092)
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Keywords | アルゼンチン / 遺伝資源評価 / ナス科 / 分子系統分類 |
Research Abstract |
平成16年11月8日から20日間、アルゼンチン北東部のエントレリオス・コリエンテス・ミシオネス各州を4997km走行し、湿潤温暖低木林帯、暖帯湿原地帯、湿潤亜熱帯樹林帯の自生地調査を行った。採集したナス科植物は11属(Bouchetia, Brugmansia, Calibrachoa, Cestrum, Jaborosa, Nicotiana, Nierembergia, Petunia, Physalis, Salpichroa, Solanum)約30種89アクセションであった。また、これらの内訳は標本80、種子67、DNA23アクセションであった。 Petuniaの分布においてブラジルではP.integrifoliaとP.inflataに明確な境界があることを確認していたが、今回の調査によりアルゼンチンでもほぼ同じ緯度に両種の境界があることが判明した。また、従来アルゼンチンから報告のなかったPetunia2種を採集した。 現地で採取した全DNAは、昨年度と同様に葉緑体DNAの遺伝子間スペーサー領域の塩基配列を決定し、昨年度までのデータと統合して分子系統を分析した。また、本年度も昨年度に引き続きアルゼンチンの共同研究者1名を招聘し、千葉大学園芸学部で栽培中の植物の管理状態の確認と研究打ち合わせ、ならびにNierembergiaの分子系統解析を行った。 これらの結果、Nierembergieae節(Bouchetia+Leptoglossis+Nierembergia)の種間変異はPetunieae節(Calibrachoa+Fabiana+Petunia)内より遥かに大きく、古い系統と新しい系統が同様な生態的ニッチで競合していることが明らかになった。これはまた、Nierembergiaの種間交雑による育種が困難であることを示し、この属の品種が少ない一因であると考えられた。
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Research Products
(1 results)