2005 Fiscal Year Annual Research Report
大陸東岸型気候区で耐候性を示すナス科景観植物の探索・評価及び分子系統学的研究
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14405023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安藤 敏夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30026588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20221799)
國分 尚 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 助教授 (20282452)
渡辺 均 千葉大学, 環境フィールド科学センター, 助教授 (80301092)
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Keywords | 分子系統分類 / 遺伝資源評価 / ナス科 / 国際研究者交流 / アルゼンチン |
Research Abstract |
本年度は栽培中の植物の一部が開花を始めたので、その観賞性・栽培特性の評価を行った。3回の現地調査で採集した計143アクセション中71アクセションを播種した。内、31アクセションが発芽・生育し、すべて日本の夏を問題なく過ごし、多年生のものは無加温の温室で越冬した。29アクセションが開花に至り、17アクセションは後代の採種ができた。開花したものについては観賞性の評価を行い、20アクセションは良好、7アクセションが中程度と判定された。特にNierembergia属、Solanum fiebrigii, Lycium cestroidesなどが有望であった。 分子系統学的解析では、採集した全24属、35種について葉緑体DNAの遺伝子間3領域(trnK, trnT-L-F,PSID)の塩基配列を決定し、最節約法によって系統樹を得た。その結果は昨年度までの暫定的なデータと矛盾せず、結論としてアルゼンチン産ナス科植物の系統について以下の知見を得た。 1.Sclerophylaxはナス科ではなく独立したSclerophylacaceaeとすべきである。 2.供試した35種は5つの亜科に相当する分岐群にわかれた。 3.Benthamiellaはパタゴニア南部に広く分布するクッション植物で、形態的特徴からFabianaに近縁であると考えられていたが、実際にはCestroideae亜科に属する。 4.パタゴニア北部に限られた分布をもつ単型属のPantacanthaは低灌木で形態は大きく異なるが、Benthamiellaにきわめて近縁である。 5.LeptoglossisはSalpiglossisと近縁とされているが、実際にはNierembergia, Bouchetiaと分岐群を形成する。 6.Calibrachoaに形態的に近いPetunia patagonicaはFabianaに含まれるかきわめて近縁である。
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Research Products
(2 results)