2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物の移動・定着に伴う病原体の伝播に関する分子疫学調査
Project/Area Number |
14405031
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 志朗 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (70050507)
斑目 広郎 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20173768)
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Keywords | ロドコッカス・エクイ / 病原性プラスミド / 在来馬 / 分子疫学 / モンゴル / 韓国 / 中国 / 感染症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東アジア地域(朝鮮半島、中国東北部・モンゴル)の在来馬とその子孫(交雑種)の中でのロドコッカス・エクイ強毒株の病原性プラスミドの分布をアジアの在来馬の伝播と分布とに対比させながら宿主寄生体関係の変遷を分子疫学的に検討し、病原体の伝播を日本在来馬の祖先の末裔と考えられる蒙古馬を遡ることによって解明するものである。平成16年度は、6月にモンゴルのState Central Veterinary Laboratoryの協力の下にウランバートル近郊の3地域の遊牧民27家族とプジェワルスキー馬保護公園より土壌と糞便を計262検体、7月には中国・長春農牧大学の協力の下に内蒙古自治区の22馬牧場より土壌と糞便を計118検体採取しR.equiの選択培地であるNANAT培地で分離培養し、分離菌についてPCR、プラスミド抽出を行った。モンゴルのウランバートル近郊ではR.equiは分離されず、ヨーロッパの動物園で繁殖され、モンゴルに再導入された現存する唯一の野生種の馬であるプジェワルスキー馬の仔馬の糞便2検体から無毒株が3菌株分離された。中国では118検体中45検体で菌分離陽性となり、676菌株が分離されたが、全てが無毒株であった。日本と韓国に分布する強毒株の由来を中国とモンゴルに遡って検討したが、今回の成績はこの作業仮説を支持するものではなく、日本へのR.equi強毒株の伝播経路の詳細な検討が必要となった。今後、モンゴル及び中国の調査地域を広げることで、強毒株のアジア全域での分布を明らかにしたい
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Research Products
(6 results)