2004 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア大都市近効における淡水浄化型農業システムの最適化
Project/Area Number |
14405033
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菊池 眞夫 千葉大学, 園芸学部, 教授 (10241944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 美智子 千葉大学, 園芸学部, 講師 (00206715)
丸尾 達 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20143266)
西山 未真 千葉大学, 園芸学部, 助手 (70323392)
篠原 温 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30015903)
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Keywords | 熱帯アジア / 環境負荷 / NPフロー / 栽培様式 / 過剰施肥 / 水質汚濁 / 地下水汚染 |
Research Abstract |
本研究は、熱帯アジアにおける農業活動による環境負荷の実態を社会科学的・栽培学的見地から定量的に調査・評価し、窒素・リン酸肥料の動態を明らかにして、当該地域での持続的農業活動のあるべき姿を模索するための基礎的資料を得ようとするものである。 本年度は、一昨年度決定した調査対象圃場における継続調査を実施した。対象圃場は、スパンブリ県ソンピーノーン郡にあり、(1)水田、(2)輪中野菜栽培、(3)エンサイ水田栽培、(4)エンサイ河川栽培の4様式、7圃場であり、対象農家は5戸である。このうち、(3)のエンサイ水田栽培圃場は、収穫労力不足が原因で稲作に転換したが、そのまま継続調査を実施している。 調査対象農家には、記録簿を渡し、栽培管理暦、施肥量、肥料の種類、作物収量等の記録をつけてもらい、それら記録簿のチェックと、圃場等からの土壌・水・植物体サンプルの定期的な採取は、海外共同研究者が毎月1回現地を訪問して実施している。 8月と3月に調査対象農家圃場に出向き、土壌・水サンプル採取、農家毎の経営・経済状況の聞き取り調査を実施した。土壌は、各圃場の表層土壌で毎月採取を行って貰っているが、深さ別、また河川、水路の底泥の採取を2回のサンプリングを実施した。土壌分析は、カセサート大学に依頼した。これまでの結果、大部分の作物・作型において、経済的利益は大きいと思われた。また、肥料や堆肥の施用量を、前作物の種類や湛水処理の有無により調整していた。いずれの作物・時期ともに殺虫剤にかかる経費が殺菌剤に比べて多かった。労賃の支出は、耕転、播種、間引き、収穫・調整などの作業に対して行われていた。8月の土壌データから、殆どの圃場と川の底泥で無機成分濃度が高いことが分かった。これらのデータをより詳細に分析し、作付け調査と土壌分析のデータを用いて、農業様式別の環境負荷を解析する予定である。
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