2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスタイ国境を結ぶ陸路交通路の整備に伴う結核罹患リスクの増大とその制御
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14406013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00211433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 昌裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30292725)
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Keywords | ラオス / タイ / ベトナム / 健康プロフィール / 世帯調査 / 健康決定要因 / 地域健康指標 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インドシナ半島における国境を結ぶ陸路交通路の整備が、住民の生活様式の変化と、結核ならびにその他の感染症罹患リスクの増大にもたらす影響を明らかにすることである。 本年度は、(1)ビエンチャン市の疾病罹患調査データに基づき、世帯調査結果に基づく、都市衛生環境調査、薬物乱用、子どもの感染症、栄養調査、人口移動、社会経済状況、生業の関連性の解析、(2)バンコク-プノンペン-ホーチミン-フエルートの、プノンペン市」および「フェ市」の交通路の調査と、各都市の人口密集地域の住民の健康プロフィール調査を実施した。以下の結果を得た。(a)ビエンチャン市の経済活動と人口変化と、都市衛生環境、感染症の発症、子どもの栄養状態、薬物使用の相互関連性について、多要因間の相互関連性を明らかにした。都市化に伴って、都市インフラストラクチャーの整備が不連続に発達する様相、交通量の増大、廃棄物処理問題の顕在化、住民の衛生習慣の改善が認められた。(b)ラオスの都市村落の健康プロフィールに基づき、交通量と感染症発症の関連性の季節変動、年次変動を分析するモデルを作成した。(c)陸路交通網と水域交通網の両者が発達する都市であるベトナムのフエ市において、人類学的計測、肝炎ウイルス抗体保有率、脛骨超音波伝播速度の計測を行い健康プロフィールを作成した。子どものA型肝炎抗体保有率は、陸路交通網と水域交通網との接点と、明確な関連性を示した。水上生活者の高い感染症リスクの存在を明らかにした。(d)プノンペン市における陸路交通路の発達は、繊維産業の発達、労働力である若年者の人口移動、リスクを伴う妊娠の増加と関連することが示唆された。 交通路の発達と発症機序が異なる疾病や病的状態との関連性を検討し、開発途上国の急速な都市化に伴う疾病流行のモデル構築の要件を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura K: "Indicators for Healthy Cities : Tools for Evidence-based Urban Policy Formation."Healthy Cities and Urban Policy Research (Taylor and Francis). 76-103 (2003)
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[Publications] Nakamura K: "Visual localization of community health needs to rational decision-making in public health services."Health and Place. 9. 241-251 (2003)
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[Publications] Takano T, Nakamura K: "A participatory research to enhance vision sharing towards Healthy Town Initiatives."Health Promotion International. (2004)
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[Publications] グエンカックルンクアン, 中村桂子, 梅崎昌裕: "ベトナムにおける健康都市セッティングプログラムの評価指標の開発"日本公衆衛生学雑誌. 50(10). 929 (2003)
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[Publications] ニーメンヘン, 中村桂子, 梅崎昌裕: "カンボジアのヘルスセンターにおける妊婦のヘルスリテラシーと健康教育のニーズ"日本公衆衛生学雑誌. 50(10). 930 (2003)
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[Publications] 藤原武男, 中村桂子, 梅崎昌裕: "ラオス・ビエンチャンにおける都市化に伴う薬物乱用の拡大"日本公衆衛生学雑誌. 50(10). 930 (2003)